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NHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』レビュー|孤独死をテーマにした等身大のヒューマンドラマ

ドラマ
引用元:NHK

作品概要

今回ご紹介するのは、NHK総合の「土曜ドラマ」枠で放送された『ひとりでしにたい』です。
この作品は漫画原作で、作者はユーモアと毒の効いた筆致で知られる カレー沢薫さん。原作は講談社「モーニング・ツー」で連載されており、同誌では過去に大人気作『聖☆おにいさん』も掲載されていました。

社会問題である「孤独死」を正面から描きながらも、暗さ一辺倒にならず、コミカルなやりとりや共感できる人物像を通して、観る人に「自分のこれから」を自然に考えさせてくれる作品です。

出演者紹介

山口鳴海:綾瀬はるか(ホリプロ所属)

主人公・山口鳴海を演じるのは 綾瀬はるかさん
綾瀬さんといえば『世界の中心で、愛をさけぶ』や『白夜行』での熱演を思い出す方も多いでしょう。私自身、この2作品の印象が強く残っていて、山田孝之さんとのダブル主演作として今も鮮烈に記憶に残っています。

今回の鳴海役は、そんな彼女の新たな一面を見せてくれる役どころ。39歳、美術館の学芸員という堅実な仕事を持ちながら、保護猫やアイドルに夢中になる姿は「身近にいそう」と感じられるほどリアル。観ているこちらも「わかる!」と共感できてしまいます。

那須田優弥:佐野勇斗(スターダストプロモーション所属)

鳴海の相談相手となるのが、若手俳優 佐野勇斗さん演じる那須田優弥。
佐野さんは俳優業だけでなく、アイドルユニット「M!LK」のメンバーとしても活躍中。私自身、彼を初めて知ったのは2015年の『砂の塔〜知りすぎた隣人』でした。その頃から演技に惹かれていて、出演作はできる限りチェックするようにしています。

那須田は真っ直ぐで正論をズバズバ言ってしまうタイプ。時に厳しさすら感じさせますが、だからこそ鳴海にとっては「耳が痛いけれど必要な存在」になっていきます。

この2人の掛け合いが、本作の大きな見どころのひとつです。


ストーリー紹介(ネタバレなしの範囲で)

主人公の 山口鳴海 は39歳の独身女性。
美術館の学芸員として働きながら、一人暮らしを満喫中。最近マンションを購入し、保護猫を飼い始めたり、アイドルに熱を上げたりと、それなりに楽しい日々を送っています。

しかし、そんな鳴海の前に突きつけられたのが「孤独死」という現実。
幼い頃に憧れていた叔母・光子が孤独死してしまったのです。遺された部屋にはガラクタや怪しい投資パンフレット、宗教関連の資料が散乱。かつて輝いて見えた大人が、こんな最期を迎えるのかという衝撃は計り知れません。

さらに母・雅子は光子への複雑な感情を抱えており、姉妹の因縁や人生観の違いも浮き彫りになります。
そんな中で鳴海は「自分もいつか一人で死ぬのでは?」という不安に苛まれるように。

そこに現れるのが、若手の那須田優弥。
鳴海が「ひとりでしにたくない」と必死に足掻く姿に興味を持ち、時に毒舌を交えながらも彼女に現実を突きつけます。
「終活」や「人生設計」という言葉に縁遠かった鳴海ですが、彼との交流を通じて「どう生き、どう死ぬか」を模索し始めるのです。

一見すると重たいテーマに思えるかもしれませんが、ドラマはコミカルなやりとりや、等身大のキャラクター描写を交えてテンポよく展開していきます。だからこそ観ていて暗くなるどころか、笑いながら考えさせられる不思議な感覚を味わえるのです。


個人の感想(共感ポイント・考えさせられた点)

私自身、このドラマを観ていて「鳴海と似ている」と何度も感じました。

例えば、保護猫に癒される姿。私も猫が大好きで、周囲から「猫カフェ始めてみたら?」と冗談交じりに言われることがあります。ただ家族が猫嫌いなので実現は難しいのですが、その「やりたいけどできない気持ち」に強く共感しました。

また、鳴海がアイドルに夢中になっている点もリアル。私も昔からアイドルオタク気質があり、ジャニーズ(現在はSTARTO ENTERTAINMENT)を応援していた時期があります。ライブに行かなくても、日常に小さな楽しみを見つける姿は多くの人に共通する部分ではないでしょうか。

そして何よりも「孤独死」への恐怖。
叔母の死をきっかけに鳴海が現実と向き合わざるを得なくなる展開は、私自身に突き刺さりました。実は私も投資で大きな損失を経験しており(2024年にデイトレで450万円を溶かしました…)、怪しげな投資に手を出す危うさは他人事ではありません。

「親の最期を看取ったあと、私はどうなるのだろう?」
「10年以上彼氏がいない私は、このまま一人で年を取っていくのか?」
鳴海が感じる不安は、そのまま今の私の不安でもあるのです。

ドラマの面白いところは、このように現実的な問題を描きながらも、深刻すぎずコミカルに表現している点。孤独死や終活というと重たいテーマですが、佐野勇斗さん演じる那須田のストレートすぎる言葉や、鳴海の人間臭い反応があることで、テンポよく観られます。

「ひとりでしにたい」と逆説的にタイトル付けられた理由も、観進めるうちに納得。人生の最期を迎えるには、準備や知識が必要なんだと痛感しました。

そしてエンディングを彩るのは、椎名林檎さんの新曲 『芒に月』
物語の余韻を美しく、そして少し切なく締めくくってくれます。


まとめ|『ひとりでしにたい』はこんな人におすすめ

『ひとりでしにたい』は、こんな方にぜひ観ていただきたいドラマです。

  • 一人暮らしをしている方
  • 将来の「孤独死」に漠然とした不安を抱えている方
  • 親の介護や終活を意識し始めた方
  • 笑いながらも人生の深いテーマに触れたい方

「まだ自分には関係ない」と思う人ほど、観てみてほしい作品です。きっと自分の未来や家族との関わり方について、考えるきっかけになるはずです。

現在は Amazonプライムビデオ、U-NEXT、NHKプラス で視聴可能です。
(※配信状況は変わる可能性があるので最新情報をご確認ください)

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