注目ドラマレビュー:日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(2025年秋クール)

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引用:TBS公式 YouTuboo

こんにちは、かしゅーです。
今回は2025年秋クールのTBSテレビ系列・日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の紹介です。
普段あまり日曜劇場は見ない私ですが、珍しく初回から惹き込まれました。
静かな導入からじわじわと熱が高まっていく、まさに「日曜劇場らしい重厚さ」を描いた作品です。そんなドラマを批評していきます。

ザ・ロイヤルファミリー
総合評価
( 4.5 )

目次

出演者紹介

  • 栗須栄治:妻夫木 聡(ホリプロ)
  • ???:目黒 蓮(STARTO ENTERTAINMENT)
  • 野崎加奈子:松本 若菜(トリプルエー)
  • 山王耕造:佐藤 浩市(テアトル・ド・ポッシュ)
  • 山王優太郎:小泉 孝太郎(イザワオフィス)
  • 椎名善弘:沢村 一樹(研音)

1話ではこのあたりが中心メンバー。
妻夫木さんといえば『オレンジデイズ』の印象が強い世代としては、今回の役どころに懐かしさを感じました。
「帰ってきた私たちの青春」ですね。
一方、目黒蓮さんは1話ではナレーションのみの出演。物語の鍵を握る存在になりそうです。
松本若菜さんは最近ドラマ出演が多いですが、私は『仮面ライダー電王』の頃から実は見ていました。
時を経てこうして主要キャストに名を連ねる姿を見ると、俳優さんの積み重ねって本当にすごいなと感じます。

電王は佐藤健さんがデビューしたてだったね

かしゅー

電王は放送当時から2025年今でも人気の作品ですね。


ストーリー紹介

物語の舞台は2011年。
主人公・栗須栄治(妻夫木聡)は、勤労意欲を失いかけた税理士
どこか心にぽっかり穴が開いているような男です。

◇ 社内ニートのような毎日

私自身も最近「働く意味」を見失っていました。
一応会社には行っていますが、メールを打ったりエクセルを触ったりの繰り返し。
“暇なのに疲れる”という不思議な感覚です。
「無理をすると病気が悪化する」と言われ、手を上げることもやめてしまいました。
そんな私の今と、栗須の姿が重なりました。

栗須は老舗人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の担当になります。
その会社は経営が厳しく、リストラの話も出ている。
社長の山王耕造(佐藤浩市)は競馬事業部に力を入れていますが、そこは赤字続き。
息子で人事部長の優太郎(小泉孝太郎)は経費の私的流用を疑われており、親子の関係もギクシャクしています。

「家庭なんて人それぞれ」と栗須の上司は言いますが、私も結婚はもう考えていません。
病気のことを心配され、実家を出るタイミングを逃したまま。
どこか「動けない自分」を見ているようで、序盤から胸に刺さりました。

会社に競馬事業部があるんだね。

かしゅー

社長が馬主という企業はいくつかあるみたいですね。


北海道・競走馬の世界へ

物語の舞台は自然豊かな北海道へ。
冒頭のオープニング映像では、雄大な牧場と空の映像が印象的でした。

栗須はロイヤルヒューマンの競馬事業部が関わる“せり”に参加するため、
北陵ファームへ向かいます。
このせりのシーンがとてもリアル。
スポッターが金額を拾い上げていく様子や、緊張感のある会場の空気が丁寧に描かれています。
最近は『国宝』『サンクチュアリ』など、裏側の世界を見せる作品が増えていますが、
この作品もまさに「競馬業界の裏舞台」を人間ドラマとして見せています。

せりでは耕造が狙っていた馬を椎名(沢村一樹)が落札。
この時点では椎名の仕事も謎のまま。今後の伏線を感じます。


アルハラ?時代を感じるシーンも

耕造は栗須を焼肉に誘います。
しかし栗須は下戸。
それでも律儀に付き合う彼に、耕造は「下戸なのによく付き合ってるよ、根性あるな」と声をかけます。

ここで私は正直、少しモヤっとしました。
「飲めない人=根性がない」とする感覚、令和の時代にはそぐわないですよね。
でも、そうした“昭和的価値観”を持つ耕造だからこそ、彼の人物像にリアリティがあるのかもしれません。


元恋人との再会

次の日、牧場へ行く栗須。
耕造から自社所有の馬・ロイヤルファイトを紹介されます。
この後、コンビニで姉からの一回忌に関する留守電を聞く栗須。
誰の一回忌かはまだ明かされません。

そこに偶然現れるのが、元恋人の加奈子(松本若菜)。
昔、栗須が競馬をしていた時のパートナーが彼女だったのです。
この再会が、物語の後半へ向けた伏線になります。

松本若菜さん最近よく見るようになったね!

2024年7月期『西園寺さんは家事をしない』から再ブレイクしたみたいです。


「夢はあるのか」──耕造の言葉が刺さる

栗須は東京へ戻り、経費書類を一つ一つ確認。
競馬事業部が採算の取れない赤字部署であると同時に、
不透明な支出があることを報告します。

それを聞いた優太郎は父・耕造に事業撤退を進言
しかし耕造は言い放ちます。

「先生、夢あんのか?
数字ばっか見て、少しも先が見えてねぇんじゃないか?」

この言葉が強烈でした。
私たちは仕事で「目標」や「数値」を追いかけますが、
気づけば「目的」を見失っていることもある
私自身、数字や効率ばかり見て心が疲れていたので、ぐさりときました。

期初は「目標」とか「数値」を決めることが多いね。

かしゅー

JTC(日本の伝統的な大企業)ではあるあるです。


競走馬の“命”と向き合う

競馬事業の撤退により、ロイヤルファイトが処分される可能性を知った栗須。
彼は再び北海道へ向かいます。

林田牧場の林田純次(尾美としのり)や加奈子のもとを訪ね、
競走馬を「命」として見つめ直す時間を過ごします。

「すべての可能性を検討し、社長の馬に競走馬として生きる道を見つけます」
そう耕造に訴える栗須の姿に、
“仕事は人を救うことができる”という希望を見ました。


涙の再生と、父への想い

栗須は過去の帳簿を洗い出し、
横領の事実を突き止め、競馬事業部の存続を守ります
その後、北海道で林田牧場のオーナーから感謝の言葉をかけられ、
涙をこらえきれずに泣き崩れる栗須。

実は栗須は1年前、同じく税理士だった父を亡くしていたのです。
「一緒に働かないか」という父の誘いを、
自分の地位や評価を失うのが怖くて断ってしまった。
その後悔をずっと抱えていました。

私も地元・愛知から父の支えで上京しました。
父は会社員の傍ら、ボウリング場や銭湯で働いて学費を稼いでくれました。
社会に出て初めて、その苦労の重みを知ります。
このシーンを見ながら、「ありがとう」と心の中で呟きました。

自分の地位を失うというのは誰しも怖いものだと思う。

栗須としても父が大学に進学させてくれたというのを無駄にしたくないという気持ちもあったと思います。


「夢に乗ってみるか」

栗須の姿を見て、耕造は言います。

「クリス、俺のところ来るかい」
「国賠最高峰のG1、有馬記念で俺たちの馬を日本一にする。夢に乗ってみるか?」

この「夢」という言葉が、1話全体のテーマを象徴しています。
働く意味、守るべきもの、そして再生。
失敗や喪失の中にも“もう一度夢を見る”勇気が描かれています。

エピローグでは2030年、目黒蓮さん演じる謎の人物が写真に写るシーンで終わります。
ここから物語がどんな方向へ向かうのか、今後が非常に楽しみです。

目黒さんは第1話では何役か分からないんだね。

かしゅー

今期待の若手の目黒さんの役どころをあえて明かさないことで、次回を楽しみにさせる演出がなされているのだと思います。


まとめ|「働く」ことをもう一度見つめ直したくなるドラマ

『ザ・ロイヤルファミリー』第1話は、
単なる企業ドラマでも、家族ドラマでもありません。
“働く意味”と“生きる意味”を、親子の関係を通して静かに問いかけてきます。

耕造の昭和的な価値観と、栗須の迷い。
世代も立場も違う二人が「夢」という言葉でつながっていく姿に、
心がじんわり温まりました。

主題歌は玉置浩二さんの「ファンファーレ」
優しくも力強いメロディが、ラストの余韻をさらに深めてくれます。

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