こんにちは、かしゅーです。
今回は2025年秋クール、テレビ朝日系列・毎週日曜夜10時15分放送の新ドラマ
『すべての恋が終わるとしても』を批評します。
原作は冬野夜空さんによる同名漫画(スターツ出版刊)。
「青春の終わり」と「愛の続き」を丁寧に描いた、切なくも美しい群像ラブストーリーです。
作品概要
- タイトル:すべての恋が終わるとしても
- 放送局:テレビ朝日系列
- 放送時間:毎週日曜 22:15〜
- 原作:冬野夜空(スターツ出版)
- 主演:葵わかな・神尾楓珠
- 主題歌:BoA & 東方神起『あなたをかぞえて』
- オープニング曲:harha『素描』
キャスト紹介
- 羽沢由宇(葵わかな)
高校時代、美術に夢中になりながら恋に落ちる少女。絵を描くことも恋も、全てに一生懸命なヒロイン。
社会人になってからも、夢と現実の間で揺れる姿に共感できます。 - 大崎真央(神尾楓珠)
無心で絵を描く姿が印象的な青年。真面目でストイック、でもどこか不器用な恋をする彼のキャラクターに、心を掴まれました。
神尾楓珠さんは2023年秋クール『いちばん好きな花』で演じた“佐藤紅葉”役でも話題に。
夢を追う姿、繊細な心情の表現が本作でも繋がっています。 - 大崎莉津(本田望結)
真央の妹で、物語を優しく見守る存在。
子役時代『家政婦のミタ』から成長した本田望結さんの演技に注目です。
フィギュアスケーターとしての表現力も相まって、感情の“余白”を見せる芝居が魅力的です。
第1話あらすじと感想|“やってみなきゃわかんない”恋のはじまり
物語は高校の美術室から始まります。
校舎の壁いっぱいにチョークで絵を描く真央(神尾楓珠)。
その姿に惹かれた由宇(葵わかな)は、彼の自由でまっすぐな生き方に心を奪われていきます。
真央が描いた絵を惜しげもなくホースで洗い流すシーン。
「楽しかったから」――その一言で全てを片づける潔さに、彼の人間性が凝縮されています。
由宇は後にこう語ります。
「初めて会った日から、彼に興味がなかった日なんて一日もなかった。」

まさに恋愛ドラマですね。



“運命の恋”が始まりましたね。
高校時代の恋って、何気ない仕草や一言が一生心に残ります。
私自身も学生時代、同じ部活の人に恋をしていました。
一緒に過ごす時間の中で、目が合うたびに胸が高鳴るあの感覚。
このドラマは、そんな“甘酸っぱさ”を丁寧に再現しています。
美術がつなぐ、恋と夢
美術室で一緒に絵を描く由宇と真央。
真央が「自信があるから」と語ると、由宇は問い返します。
「自分に才能があるっていう自信じゃないよ。
自分は“頑張れる”っていう自信。そういう自信はあるんだ。」
このセリフ、深く刺さりました。
夢を追う人の根本には「才能」ではなく「努力への信頼」がある。
ドラマでは「ホルベインのマーカー」、「コリンスキーの筆」などが出てきます。美術をやっている人には慣れ親しんだ道具なのではと思いました。
動画編集というクリエイターの仕事をしている私も、この言葉には強く共感。
また私はAdobe Premiere Proを使って映像を作っていますが、どんなに技術があっても“続ける力”が一番の武器なのでしょう。
遠距離恋愛の切なさ
高校を卒業し、2人はそれぞれ別の美大へ。
真央は東京、由宇は神戸。
遠距離恋愛の始まりです。
「東京と神戸だよ。」
「やってみなくちゃわかんないんでしょ。」
この会話、胸が締めつけられました。
誰もが一度は経験する「距離に負けたくない気持ち」。
でも現実はそう簡単じゃないんですよね。
由宇は神戸でアルバイトをしながら美大生活を送ります。



このシーンのアルバイト時代は懐かしくなりますね。



週6の居酒屋勤務、私も大学時代まさに同じような日々を過ごしました。
学業よりバイトの方が忙しくなってしまうあの感じ。
でもあの仲間たちとの夜勤明けの時の会話も、今思えばかけがえのない思い出です。
そんな日々の中、真央が由宇に贈ったのは手帳。
表紙に絵を描き合い、交換するシーンは本作屈指の名場面です。
“何でもキャンバスにできる”という言葉が象徴するように、
この2人にとって「創作=愛そのもの」何だと思いました。
すれ違いの始まり
真央が関東に帰る際に「また2ヶ月後ね」と約束されたのに、2ヶ月後に真央からは「行けなくなった」という電話が入ります。理由は「グループ課題のメンバーが体調を崩し、自分がフォローしなければならなくなった」というものでした。
落ち込んでいる由宇のアパートのチャイムが鳴ります。「やっぱりね、会いたかった」と言って、真央は由宇の元に現れました。
しかし翌日には再び東京へ帰らねばならない現実がありました。その悔しさと寂しさから、由宇は唇をグッと噛むクセを付けてしまいます。真央はそれを「唯一由宇の嫌いなところ」と言いながらも、ただ「素直なとこ」「わかりやすいとこ」「自分のためにちゃんと努力できるとこ」が好きなのだと告白します。
「やってみなきゃわかんない」という口癖も好き——そう言う真央の言葉は、由宇への深い愛情を表していました。



初々しいです。



こういう相手の好きな口癖ってありますよね。
特に方言だと愛おしさが増します。私は名古屋出身ですが、「〜だがや」という方言に地味な好感を持っています(えびふりゃーは言いません!)。
就活の時期と人生の選択
時が経ち、二人は就活の季節を迎えます。由宇は美術関係で東京の会社を受けますが、不採用メールが届きます。一方真央は東京のギャラリー運営会社に採用されました。
就職活動が上手くいかず、真央に会えない寂しさから、由宇はSNSに真央の画像を付けて投稿してしまいます。



今風ですね。



今はまさに大SNS時代ですからね。
自分の内面をSNSでしか見せないという人も一定数います。自分の趣味や金銭面の話など、リアルでは言えないことが、オンライン上では気軽に発信される——その矛盾と葛藤もまた、このドラマが描く現代の重要なテーマです。
就活が決まらない中、就活アドバイザーから「美術の仕事か、関東勤務か、どちらかを諦めなければならない」と告げられます。由宇は関東にいる真央の傍にいたいという思いが強くなり、営業職のエントリーシートを書き始めてしまいます。



就職活動で行き詰まると、本当に落ち込んでしまいますよね。



どこにも自分の居場所がないような感覚に陥ります。
真央の妹・莉津が、由宇が呟いたインスタを真央に見せます。「全然会えなくて寂しいみたいだもんね」という莉津の一言で、真央は自分のせいで由宇を寂しがらせてしまったことに気が付くのです。
ドラマティックなすれ違いと別れ
由宇のアパートにやって来た真央は、ゴミ箱に捨てられた関東の営業職エントリーシートを見つけます。「大事なもの見失ってない?」「人生なんだからやりたいことやってほしいよ」——正論を突きつける真央に対し、由宇はまたグッと唇を噛むクセを出してしまいます。
「また口噛むクセやってるよね。またかって思ってた。俺に言うんじゃなくてSNSに書く意味って何?」
真央の問いかけは、遠距離恋愛の辛さだけでなく、相手の人生を左右してしまう恋愛の重さを浮き彫りにさせます。
由宇は「ただ会えなくて寂しいだけだよ。真央に会えるから毎日頑張れているんだよ」と言いますが、真央は「ごめん、それあんまり嬉しくない。昔は自分のために頑張れる人だったよね。由宇が変わっちゃったのって俺のせい?」と返します。
数日後、由宇が関東での最終面接に訪れた際に、真央に電話をかけます。会いたいと言う由宇に対し、真央は「もう好きじゃなくなった。別れよう」と言い放ちます。
こうして二人の恋は一度終わりを迎えました。



すべてが真央のせいなんですかね?



由宇は依存していたんでしょうね。
自分のせいで自分を変えてしまう——その悔しさと悲しさ。視聴者の多くが、この瞬間に心が揺さぶられると思います。
個人的には、初恋の相手によって自分の人生や性格が大きく変わった経験があります。いい面も悪い面もありますが、あの出会いが悪かったかと言えば、そうではありません。むしろこんな大切な人に巡り合わせてくれたことに、今でも感謝しています。
主題歌
主題歌はBoA & 東方神起の『あなたをかぞえて』。
2組がコラボするのは久しぶりで、まさに“大人の恋愛”を彩る一曲。
そしてオープニングを飾るのはharha『素描』。
harhaは葵わかなさんと同じスターダスト所属で、作品の世界観と見事にリンクしています。
音楽が聞くたびに、心がきゅっと締めつけられる。
映像・音・演技のすべてが「静かな熱」を感じさせてくれます。
まとめ|“やってみなきゃわかんない”恋を、あなたにも
恋も夢も、やってみなきゃわからない。
それは失敗を恐れずに一歩踏み出す勇気の物語。
『すべての恋が終わるとしても』は、
「恋の終わり」を描きながら、「人生の始まり」を見せてくれる作品です。
・神尾楓珠さん、葵わかなさんの繊細な演技。
・美術をテーマにした映像美。
・現代の恋愛が抱えるリアルな葛藤。
“遠距離恋愛をしたことがある人”“夢と恋の両立で悩んだ人”には、必ず刺さるはずです。
🔗『すべての恋が終わるとしても』を観るには?
📺 放送局:テレビ朝日系列
🖥️ 見逃し配信:TVer・ABEMA・U-NEXTなどで最新話配信中!








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