かしゅーこんにちは、かしゅーです。
かしゅー今回は、松山ケンイチさんが発達障害のある裁判官を演じたNHKドラマ10「テミスの不確かな法廷」を紹介していきます。
2月の2週間、「テミスの不確かな法廷」は放送がありませんでした。
ミラノコルティナ五輪です。
あの中断で流れが切れたまま、最終回まで追いきれなかった人はかなりいるはずです。
私もそのひとりでした。
第5話まで観たところで止まり、3月に入ってから残りをまとめて追いかけました。
そして2026年8月14日から、BSプレミアム4Kで第1話からの再放送が始まります。
この記事では、16人のキャストの役どころと関係、全8話のあらすじ、再放送の日程、そして配信で今すぐ全話を観る方法までまとめました。
安堂清春という裁判官が何を抱えていたのか、観終えた人がもう一度確かめたくなる部分にも触れています。
- BSプレミアム4K再放送の全8話ぶんの日程
- 主要キャスト16人の役どころと人物の関係
- 原作小説とドラマの違い、続編の存在
- 全8話のあらすじと、最終回に向けた読みどころ
- 配信で全話を今すぐ観る方法
配信はU-NEXTのNHKオンデマンドで全8話が観られます。
再放送を待つと最終回にたどり着くのは10月2日です。
配信なら、今夜のうちに追いつけます。
まずは、どんなドラマだったのかから。
本ページの情報は2026年8月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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- 松山ケンイチが演じる「擬態して生きる人」の芝居が、第1話の冒頭2分から効いてくる
- 法廷の駆け引きに誇張がなく、書面の一行や証人の言い淀みで流れが変わる緊張感がある
- ASDとADHDの描写が、つらさと豊かさの両方を同じ特性として並べて描かれている
- 遠藤憲一、和久井映見、市川実日子ら脇のひとりひとりに見せ場が用意されている
- 第1話のタンポポが最終回で効いてきて、観終えるともう一度1話に戻りたくなる
テミスの不確かな法廷のあらすじ
前橋地裁に来た裁判官

舞台は、群馬県の前橋地方裁判所第一支部です。
そこへ東京から異動してきたのが、任官7年目の裁判官、安堂清春でした。
特例判事補という肩書で、ひとりで判決を書ける立場になったばかりです。
安堂には、職場の誰にも言っていないことがあります。
13歳のときにASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断されていました。
会話の間合いが読めない。
相手の表情から気持ちを推し量れない。
人より音が大きく聞こえて、頭の中が埋め尽くされる。
それでも彼は、精神科医の山路薫子から教わったやり方を頼りに、周りに合わせて生きてきました。
安堂は他人を「地球人」と呼び、自分を「宇宙人」と呼びます。
その言い方が出てくるたび、私は胸のあたりが重くなりました。
裁判官は、人の言葉の裏を読む仕事です。
安堂がいちばん苦手とするその場所に、彼は毎週立ち続けます。
1話の裁判官忌避とは

第1話のサブタイトルは「裁判官忌避」でした。
忌避とは、裁判の当事者が「この裁判官では公正な裁判は期待できない」と申し立てて、担当から外すよう求める手続きのことです。
初回のタイトルにこれが置かれている時点で、安堂がどんな目に遭うかは察しがつきます。
このドラマが上手いのは、本編に入る前の冒頭2分でした。
少年時代の安堂が映ります。
タンポポの綿毛を拾って、じっと見つめている。
周りの子どもたちは、その姿を「変わってる」と囃し立てます。
場面が現在の安堂に切り替わると、彼はやはり騒がしい音に耳をふさいでいて、視線の先にはタンポポの綿毛がありました。
説明のセリフは一つもありません。
この2分だけで、彼が何を疎まれ、何を見ている人なのかが伝わります。
私はこの導入を観た時点で、最後まで付き合おうと決めました。
NHKドラマ10の放送データ
- 放送局と枠
- NHK総合「ドラマ10」、毎週火曜22時00分から22時45分。
- 放送期間と話数
- 2026年1月6日から3月10日まで、全8話。
- 脚本と音楽
- 脚本は浜田秀哉、音楽はjizue。
途中、2月10日と17日の2週はミラノコルティナ五輪のために休止しています。
リアルタイムで追っていた人が離脱したのは、ほぼこの2週間が原因でしょう。
制作にあたったのは、ギャラクシー賞を受けた「宙わたる教室」と同じチームです。
小林虎之介さんと伊東蒼さんが続けて出演しているので、あの作品が好きだった人は顔ぶれだけで信用していいと思います。
jizueの劇伴は、ピアノとベース中心で法廷の緊張をそのまま押し上げます。
物語の輪郭が見えたところで、この重い役を引き受けた俳優たちを見ていきましょう。
キャストと相関図を一覧で紹介
「テミスの不確かな法廷」のキャストは、主要人物だけで16人います。
裁判所、弁護士、検察、そして安堂の家族。
この4つの立場がどう絡むかを押さえておくと、法廷のやり取りが一気に分かりやすくなります。
この先は人物の設定に触れます。物語の結末には踏み込みませんが、まっさらな状態で観たい方は再放送の見出しまで飛ばしてください。
主演は松山ケンイチ
安堂清春を演じるのは松山ケンイチさんです。
幼少期は石塚陸翔さんが演じています。
松山ケンイチさんといえば「デスノート」のLを思い浮かべる人が多いと思いますが、あの独特さとは方向がまるで違いました。
安堂は奇人ではありません。
必死に普通の人のふりをしていて、そのふりが少しずつ剥がれていく人です。
相手の言葉をそのまま受け取ってしまったときの、ほんの一拍の間。
その一拍だけで「今、噛み合わなかった」と分かる芝居をしていました。
同じ時期に日曜ドラマ「リブート」でまったく別の顔を見せていたので、並べて観ると役者としての振り幅に驚かされます。
そして今期は「Tシャツが乾くまで」に出演しています。
前橋地裁の裁判官と書記官
- 落合知佳(恒松祐里)
- エリート判事補。冷静に理屈で詰めていくタイプで、安堂が起こすトラブルに眉をひそめ、はっきり距離を取ろうとします。この女裁判官の存在が、安堂の「ずれ」を客席から見た形にしてくれます。
- 門倉茂(遠藤憲一)
- 安堂の上司にあたる部長判事。定年まであと2年で、かつては反骨の裁判官として名を知られた人でした。第4話のサブタイトル「伝説の反逆児」が誰を指すのかは、観れば分かります。
- 八雲恭子(山田真歩)
- 裁判官室を回している主任書記官。ベテランらしく空気を読みながら、行き過ぎた発言にはすかさず突っ込みを入れます。この人がいるおかげで、重い話が続く裁判官室に息継ぎができました。
- 荻原朝陽(葉山奨之)
- 書記官。情報収集力に長けた人なつっこいタイプで、うわさ話にも通じていて、事件の外側の事情を運んできます。
- 津村綾乃(市川実日子)
- 執行官。安堂たちに事件の情報を渡してくれるのですが、何を考えているのかが最後まではっきりしません。笑っているのか試しているのか分からない表情は、他の俳優では出ないと思います。
弁護士の小野崎乃亜
弁護士役の小野崎乃亜を演じるのは、鳴海唯さんです。
小野崎は、安堂の特性を自分の裁判に利用するつもりで近づいてきます。
つまり、最初の立ち位置は味方ではありません。
彼女は東京の大手法律事務所にいましたが、ある事件をきっかけに辞めて前橋へ来ました。
その理由が見えてくると、彼女がなぜ安堂に執着するのかの意味が変わります。
小野崎弁護士が安堂にかけた「迷って良し」という言葉は、この作品で一番やさしい台詞かもしれません。
鳴海唯さんは、強気な顔と迷っている顔を同じ場面の中で切り替えます。
検察側のキャスト
検察官の古川真司を演じるのは山崎樹範さんです。
安堂の読めない訴訟指揮に振り回されながら、小野崎と論戦を繰り広げます。
古川には、事故で亡くなった父の汚名を晴らしてくれた検察官への憧れがありました。
だから彼は、正しさを疑わない側の人間として描かれます。
最高検察庁の次長検事、結城英俊は小木茂光さん。
25歳の時期は樫尾篤紀さんが演じています。
この関係が後半を動かします
- 結城英俊は、安堂清春の実の父
- 親子でありながら、法廷を挟んで正反対の場所に立っている
- この構図があるせいで、後半の裁判はただの事件では済まなくなる
ほかに検察官として、風見舞(園田あいか)と結城の部下の前田道隆(角谷良)が出演しています。
安堂の家族と関係者

安堂の母、安堂朋子を演じるのは入山法子さんです。
息子の特性を早くに受け止めた人で、父との関係とは対照的に描かれます。
そして、この作品でいちばん温度が高い人物が精神科医の山路薫子(和久井映見)でした。
安堂が13歳のときに発達障害と診断した本人です。
以来ずっと経過を見守り、相談に乗り続けてきました。
安堂が唯一、素のままでいられる相手です。
山路薫子さんは、励ましません。
答えも出しません。
ただ聞いて、少し間を置いてから短く返す。
その間の取り方だけで、この人が20年以上そばにいたことが伝わってきます。
ゲスト出演者と相関図
このドラマは、回ごとに扱う事件が替わります。
そのぶん、被告人や事件関係者を演じるゲストの出演者が毎回入れ替わる作りでした。
「テミスの不確かな法廷 キャスト 3話」「キャスト 7話」と回数を付けて検索する人が多いのは、そのためです。
主なゲストとして名前が挙がるのが、齋藤飛鳥さん(吉沢亜紀役)、小林虎之介さん(江沢卓郎役)、伊東蒼さん(四宮絵里役)、山時聡真さん(栗田奈央役)、山本未來さん(穂積英子役)です。
齋藤飛鳥さんや伊東蒼さんのように、1話かぎりの出番でも印象を持っていく女優が並んでいます。
事件の犯人が誰なのかを役名から先読みするのは、この作品ではおすすめしません。被告人が犯人とは限らない、というのがこのドラマの出発点だからです。
人物の関係を整理すると、中心にいる安堂に対して、裁判所の同僚、弁護士の小野崎、検察の古川、そして実父の結城という4方向から力がかかっています。
安堂を支えるのは、母と山路医師のふたりだけ。
この相関図を頭に入れてから第1話を観ると、法廷の座席の配置そのものが人間関係の図に見えてきます。
顔ぶれが分かったところで、この物語のもとになった原作を見ておきましょう。
原作小説とドラマの違い
原作は直島翔の小説
原作は、直島翔さんの同名小説です。
漫画ではありません。
この作品はKADOKAWAから出た小説で、単行本が2024年3月、加筆修正された角川文庫版が2025年11月に出ています。
ドラマから入った人は、文庫版が手に取りやすいと思います。
直島翔さんは新聞記者です。
裁判を実際に傍聴席から見てきた人が書いているので、法廷の描写に妙な誇張がありません。
怒鳴り合いも、劇的な逆転もそう起きない。
そのかわり、書面の一行や証人の言い淀みで流れが変わります。
このドラマの法廷シーンが妙にリアルなのは、原作のその手触りをそのまま持ってきたからでしょう。
そして2025年12月には、続編にあたる「テミスの不確かな法廷 再審の証人」が発売されました。
ドラマを観終えた人がいちばん飢えるのは、この続編のほうかもしれません。
ドラマ化で変わった点
ドラマは全8話に収めるため、原作から構成を組み直しています。
原作を読んだ人の感想を見ていくと、扱われる事件そのものと真相は原作どおりで、人物設定や会話のやり取りに細かい違いがある、という受け止め方が多いようです。
大きいのは、安堂の父が絡む冤罪の話です。
この筋は、1作目ではなく続編の「再審の証人」に出てきます。
つまりドラマは、シリーズ2冊分を横断して1本の物語に編み直したことになります。
第6話「再審請求審」から終盤にかけて話が重くなるのは、そのためです。
さらに、ドラマだけのオリジナル展開もいくつか入っています。
原作を先に読んでいても、初見の場面にぶつかる作りです。
順番としては、ドラマを観てから小説に進むのがおすすめです。
映像で安堂の間の取り方を知ってから文章を読むと、地の文がぜんぶ松山ケンイチさんの声で再生されます。
逆に小説を先に読んだ人からは、松山ケンイチさんの演技に「原作とイメージが違う部分が1ミリもない」という評まで出ていました。
続きが気になった方は、電子書籍なら今日のうちに読み始められます。
全8話のあらすじと最終回
1話から5話までの事件
「テミスの不確かな法廷」は全8話です。
何話まであるのか迷った方は、8話までと覚えておいてください。
完全な1話完結ではなく、ひとつの事件を2話またぎで描く回もあります。
途中から入ると置いていかれるので、再放送も第1話から追うことをおすすめします。
この作品で面白いのは、各話のサブタイトルがそのまま法律用語になっていることです。
- 第1話「裁判官忌避」
- 第2話「真実義務と誠実義務」
- 第3話「裁判官の資質」
- 第4話「伝説の反逆児」
- 第5話「書証主義と人証主義」
第2話の真実義務と誠実義務は、弁護士が抱える矛盾そのものです。
真実に反する主張はできない。
けれど依頼者には誠実でなければならない。
この2つがぶつかったとき、弁護士は何を選ぶのか。
小野崎乃亜という人物がなぜあの立ち回りをするのか、この回でだいぶ見えてきます。
第3話と第4話は、運送ドライバーの事故をめぐる民事訴訟でした。
過重労働と過積載。
会社側が持ち出してくる手が、露骨ではないぶん陰湿です。
ここで安堂は、部長判事の門倉茂と組みます。
かつて反骨の裁判官と呼ばれた男が、なぜその評判を捨てて丸くなったのか。
第4話のサブタイトル「伝説の反逆児」は、そこに刺さってきます。
第5話の書証主義と人証主義は、書面を重んじるか、法廷に立った人間の言葉を重んじるかという対立です。
安堂は迷わず後者を取ります。
書面には出てこない言い淀みや、視線の動きに引っかかる人だからです。
この前半で、安堂は職務から逸脱した失敗もします。
カバンを置き忘れ、辞表まで書きました。
それでも彼は、法廷から嘘がなくなる瞬間が好きだと言います。
辞めようとしている人間の口から出る言葉ではありません。
その矛盾を抱えたまま、物語は後半に入っていきます。
なお、2月10日と17日の2週は五輪で休止したため、第5話から第6話までは3週間空いています。
次回予告を観たまま3週間待たされた身としては、あの中断はなかなかこたえました。
6話と7話の再審請求審
第6話「再審請求審」から、このドラマは別の顔になります。
扱われるのは、前橋一家殺人事件の再審です。
再審請求というのは、確定した有罪判決をもう一度やり直してほしいと求める手続きのことです。
日本でこれが認められる確率は、極めて低い。
つまりこの時点で、安堂は制度そのものに手をかけようとしています。
第7話のサブタイトルは「裁判所主導の職権主義」でした。
当事者が出してきた材料だけで判断するのではなく、裁判所の側から踏み込んで調べにいく。
安堂がそこに手を出したとき、彼が何を敵に回すことになるのか。
前半でキャストを整理したときに触れた、実父の存在を思い出してください。
ここから先は書きません。
ひとつだけ言えるのは、この2話で「不確かな法廷」というタイトルの意味が変わることです。
不確かなのは安堂の判断力ではありませんでした。
最終回の向き合う覚悟
最終回、第8話のサブタイトルは「向き合う覚悟」です。
放送は2026年3月10日でした。
検察官役の山崎樹範さんが、放送前のインタビューで最終回を「ドラマ史に残るラスト」と言い切っています。
出演者の宣伝文句だろうと私も思っていました。
観たあとで、あの言葉は控えめだったと思い直しました。
最終回のネタバレをここに書くことはしません。
ただ、観る前に2つだけ頭に入れておくと効き方が変わります。
最終回を観る前に覚えておきたい2つ
- 第1話の冒頭2分に出てきたタンポポの綿毛は、最終回で必ずもう一度出てくる
- 「前を向いて歩くんだぞ」という言葉が、8話ぶんの重さを一気に引き受ける
誰が誰に言うのかは書きません。
このセリフを聞いた瞬間、それまでの8話が全部この一言のためにあったと分かります。
ちなみに、この最終回については批判もありました。
全8話という尺に対して展開を詰め込みすぎで、消化不良だという声です。
私も、あと2話あればという気持ちは残りました。
それでも、あのラスト3分を否定する感想はほとんど見かけません。
答えを知ってから観ても、この結末は削れないタイプの作品です。
先に検索で結末を調べてしまった方も、そのまま本編に進んでみてください。
\あのラスト3分は、文字では届きません/
安堂清春の名セリフと描写
わからないことがわからない

このドラマで最も引用されている安堂の言葉があります。
分からないことを分かっていないと、分からないことは分かりません
早口で聞くと禅問答のようですが、言っていることは単純です。
自分が何を分かっていないのかを把握していない人は、分からないまま分かったつもりで判断してしまう。
裁判官がそれをやったら、人の一生が変わります。
安堂はこの言葉を、他人を責めるためには使いません。
いつも自分に向けて言っています。
彼はASDの特性として、曖昧なまま話を進めることができません。
会議では「今の話の主語は誰ですか」と聞き返して、場の空気を凍らせます。
周りから見れば、面倒くさい人です。
けれど法廷でそれをやると、証人の話の穴が浮かび上がります。
安堂の「面倒くささ」が、そのまま裁判の精度になっている。
この設計が、この作品の一番よくできているところでした。
分かったつもりで人を判断していないか。
私はこれを書きながら、何度か手が止まりました。
地球人と宇宙人という言葉
安堂は、自分以外の人間を「地球人」と呼びます。
そして自分のことを「宇宙人」と呼びます。
この言い方は、自虐ではありません。
地球人のルールが分からないから、観察して、真似して、擬態する。
そうしないとこの星では暮らせないと、彼は13歳のときから理解しています。
擬態という言葉を、安堂は淡々と使います。
その淡々とした感じが、いちばんこたえました。
もうひとつ、この作品が丁寧なのは感覚過敏の描き方です。
安堂には、周りの音が耐えられないほど大きく聞こえます。
同時に彼は、他の人が気づかない世界の細かさを見つけられる人でもあります。
つらさと豊かさが、同じ一つの特性から出ている。
どちらか片方だけを描く作品は多いのですが、このドラマは両方を並べて置きました。
作中には「いつの日か、特性を個性と言い切れるようになりたい」という願いも出てきます。
言い切れる日は、まだ来ていない。
だから「なりたい」なんです。
このドラマは、特性を個性と呼び替えて話を終わらせることを、最後までしませんでした。
タンポポの綿毛が示すもの
第1話の冒頭2分、少年の安堂はタンポポの綿毛を拾って見つめています。
周りの子どもたちは、その姿を囃し立てます。
現在の安堂に場面が移っても、彼はやはり綿毛を見ています。
この綿毛が何を意味するのか、作中で説明されることはありません。
ただ、最終回でもう一度これが出てきたとき、意味が変わって見えます。
綿毛は、風が吹けばどこへでも飛んでいきます。
自分の意思では行き先を選べません。
けれど、飛んだ先で根を張ることはできる。
前橋という慣れない土地に飛ばされた安堂と重ねて読むこともできますし、もっと別の読み方もできると思います。
正解は用意されていません。
このドラマは、答えを渡さないところが好きでした。
視聴者の感想と評価
放送中、この作品は「今クールの最高傑作」という評価を何度も見かけました。
一方で、手放しの絶賛ばかりではありません。
当事者の方から「リアルすぎて観ているのがつらい」という声が上がっていました。つらくなったら止めてください。逃げずに全部観るべき作品、という言い方を私はしたくありません。
安堂が受ける無理解も、父から特性を隠せと言われたことも、作り話ではないからです。
この作品を「感動した」の一言でまとめてしまうのは、たぶん違います。
観る人によっては、しんどい時間になります。
批判として多かったのは、全8話という尺です。
終盤の展開が駆け足で、消化不良だという指摘は各所で見ました。
五輪で2週空いたことも、体感の分断につながっています。
法廷ドラマとして観ればいいのか、ヒューマンドラマとして観ればいいのか、判断に迷ったという感想もありました。
逆に、繰り返し観た人からは別の評価が出ています。
2周目に入ると、第1話の何気ない場面が全部伏線だったと気づく。
被告人が心情を吐露する場面で毎回泣いた、という人もいました。
音楽もそこに効いています。
jizueが手がけたBGMは、感情が高まる場面でむしろ音を引きます。
盛り上げてくれないので、こちらが自分で泣くしかなくなる。
安堂という人をどう受け止めるかは、観た人の数だけ答えが分かれます。
まずは自分の目で確かめてみてください。
\NHKパックでいつでも見れる/
再放送はいつから見られる
BSプレミアム4Kで再放送

「テミスの不確かな法廷」の再放送が、2026年8月14日(金)から始まります。
放送されるのはNHKのBSプレミアム4Kで、時間は毎週金曜の午後8時15分から。
10月2日まで、全8話が週1話ずつ放送されます。
ドラマ10の再放送はBSに回ることが多く、今回もその形になりました。
ここで一つ、先に伝えておきたいことがあります。
BSプレミアム4Kは、4K対応のテレビとチューナーがないと映りません。BSは映るのに4Kの環境はない、という家庭はかなり多いはずです。
我が家もそうでした。
自宅で観られるかどうか、リモコンでBSプレミアム4Kのチャンネルが出るか、先に確かめておくことをおすすめします。
1話から順番に見られる
今回の再放送は、第1話から順番に放送されます。
途中の回からではないので、未視聴の人にはちょうどいいタイミングです。
放送日を並べておきます。
| 話数 | 放送日 |
|---|---|
| 第1話 | 8月14日(金) |
| 第2話 | 8月21日(金) |
| 第3話 | 8月28日(金) |
| 第4話 | 9月4日(金) |
| 第5話 | 9月11日(金) |
| 第6話 | 9月18日(金) |
| 第7話 | 9月25日(金) |
| 最終回 | 10月2日(金) |
いずれも午後8時15分からです。
見ていただくと分かるとおり、最終回にたどり着くのは10月2日でした。
今から数えて7週間以上かかります。
金曜の夜8時15分に、7週続けて家にいる。
これができる人は、そう多くないと思います。
しかも1話でも見逃すと、話の筋が切れます。
このドラマは事件が2話またぎになる回があるので、抜けが致命的になりやすいんです。
NHKプラスの見逃し配信
見逃したときの受け皿として、NHKプラスを思い浮かべる方もいると思います。
ただ、NHKプラスの見逃し配信は総合テレビとEテレの番組が中心です。
今回のBSプレミアム4Kでの再放送は、対象外と考えておいたほうが安全でしょう。
つまり、放送を見逃したら次の週まで待つしかありません。
再放送の日程を調べてここまで読んでくださった方に、正直に書きます。
待つ必要は、ありません。
配信サービスなら、今日この瞬間から全8話が観られます。
放送を7週間追いかけるか、今夜まとめて観てしまうか。
次で、その方法を整理します。
配信で全話を見る方法
U-NEXT
いちばん確実なのはU-NEXTです。
「テミスの不確かな法廷」は、U-NEXT内のNHKオンデマンドで全8話が配信されています。

仕組みだけ先に説明させてください。
NHKの番組は、U-NEXTの通常の見放題とは別枠になっています。
「NHKまるごと見放題パック」という月額990円(税込)のパックに入ると、NHKオンデマンドの作品が見放題になります。
U-NEXT本体には31日間の無料トライアルがあり、登録時に600ポイントがもらえます。
NHKまるごと見放題パックは990円なので、この600ポイントを充てれば差額は390円です。
レンタル1本ぶんより安く、全8話を試せる計算になります。
大事なのは、放送のように待たなくていいことです。
第1話から最終回まで、今夜そろっています。
このドラマは事件が2話またぎになる回があるので、一気に観たときのほうが確実に効きます。
第6話から終盤にかけては特にそうでした。
週をまたいで熱が冷めるより、続けて観たほうがいいタイプの作品です。
観終わったあとに第1話を見返す人が多いのも、配信向きの理由になります。
タンポポの綿毛のあの2分を、意味が分かった状態でもう一度観る。
そこまで含めて、この作品だと思っています。
\31日間無料、差額390円で全8話そろいます/
Amazonプライムビデオ
Amazonプライムビデオでも観られます。
この記事を書いている時点では、プライム会員の見放題に入っていました。
追加料金なしで全8話を観られます。
すでにプライム会員の方は、ここがいちばん手が早いでしょう。
登録も追加の支払いも要りません。
見放題の対象は入れ替わります。配信が終われば、NHKオンデマンドチャンネル(月額990円)での視聴に戻ります。終了の時期は公表されないため、登録の前にAmazonの作品ページで料金の表示を確認してください。
期限を気にせず、あとから見返すつもりで手元に置いておきたいならU-NEXTのほうが安心です。
今夜だけ観られればいい、という方はAmazonで十分。
そのくらいの分け方で選んでください。
原作小説を読む方法
ドラマを観終えてから読むなら、原作の角川文庫版が入りやすいと思います。
そして、その先に続編の「テミスの不確かな法廷 再審の証人」があります。
ドラマで安堂の父をめぐる話に持っていかれた人は、こちらを読まないと収まりがつかないはずです。
電子書籍なら、今日のうちに読み始められます。
映像で松山ケンイチさんの間の取り方を覚えたあとだと、地の文が全部あの声で聞こえてきます。
よくある質問
- 全何話ですか
-
全8話です。1話45分で、通して観ると6時間ほどになります。
- 視聴率はどれくらいでしたか
-
各話の数字は、公表された資料では確認できませんでした。ただ、NHKはネット配信が好調だったことを公表しています。放送を追えなかった層が、配信で拾い直した作品だったと言えそうです。
- ロケ地はどこですか
-
舞台は群馬県の前橋地方裁判所第一支部という設定です。撮影場所の一覧は公式に出ていないため、ここでは断定を避けます。
- 主題歌は誰が歌っていますか
-
歌の主題歌はありません。音楽はjizueが担当していて、ピアノとベース中心の劇伴で進みます。主題歌を探してたどり着いた方は、別の「テミス」がつく作品と混ざっている可能性があります。
- 実話がもとになっていますか
-
原作は直島翔さんの小説で、事件そのものはフィクションです。ただ、再審請求が通りにくい現実や、発達障害のある人が職場で置かれる状況は、現実の議論をふまえて描かれています。
- 犯人は誰ですか
-
ここでは書きません。このドラマは、被告人が犯人とは限らないという前提から始まります。役名から先読みしようとすると、たいてい外れます。
- どこで見れますか
-
U-NEXTのNHKオンデマンドで全8話が観られます。Amazonプライムビデオでも配信中で、記事を書いている時点ではプライム会員の見放題に入っていました。2026年8月14日からは、BSプレミアム4Kで再放送も始まります。
まとめ
不確かなのは、何だったのか。
観る前の私は、発達障害のある裁判官が下す判断のことだと思っていました。
観たあとで、逆だと気づきます。
分かったつもりで人を裁く側のほうが、よほど不確かでした。
安堂清春は、分からないことを分からないと言える人です。
法廷でいちばん役に立たなそうな性質が、いちばん効いてしまう。
その皮肉を8話かけて見せられます。
あなたは、自分が何を分かっていないか言えますか。
私は言えませんでした。
だからこのドラマの言葉が、放送から半年近くたっても抜けないままです。
再放送は2026年8月14日から、BSプレミアム4Kで毎週金曜の夜8時15分。
最終回は10月2日です。
7週間待たずに観るなら、U-NEXTで全8話そろっています。
45分を8本、6時間ほど。
週末の夜に2話ずつでも、来週にはあのラストにたどり着けます。
\7週間待たずに、今夜から全8話/


