【名作】BLOOD+のあらすじと結末を全解説、主題歌と配信情報も

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BLOOD+
かしゅー

こんにちは、かしゅーです。

かしゅー

今回は2005年から1年かけて放送されたアニメ「BLOOD+」を紹介していきます。

「青空のナミダ」のイントロを聴くと、今でも土曜の夕方の空気が戻ってきます。
話の中身はほとんど覚えていないのに、曲だけは20年たっても消えていません。
同じような人、けっこう多いんじゃないでしょうか。

BLOOD+は2005年から1年かけて放送された、全50話のアニメでした。
長いぶん、途中で脱落した人も、最終回だけ見逃した人もいます。
ハジは結局どうなったのか。
リクが死んだ記憶があるけれど、あれは合っているのか。
そのあたりが宙ぶらりんのまま、20年が過ぎてしまった人は少なくないはずです。

私はこの作品、主題歌から離れられなかった側の人間でした。
OPが4曲、EDが4曲
全部好きで、いまだに一番はアンジェラ・アキさんの「This Love」だと思っています。

  • BLOOD+のあらすじと最終回の結末(ネタバレあり)
  • 音無小夜・ハジ・ディーヴァたち登場人物と声優
  • OP・EDあわせて8曲の主題歌と、ハンス・ジマーが関わった劇伴
  • ハジは生きているのかという20年来の論点
  • BLOODシリーズ3作品の関係と、おすすめの視聴順
  • 今どこで全50話を観られるのか

BLOOD+は現在、U-NEXTとHuluで全50話が見放題で配信されています。
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BLOOD+
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • 沖縄からベトナム、ロシア、ニューヨークへ。1年かけて世界を横断する全50話のスケール
  • OP4曲とED4曲がすべて名曲。高橋瞳・HYDE・UVERworld・元ちとせ・中島美嘉・アンジェラ・アキが並ぶ豪華さ
  • 劇伴はハンス・ジマーとマーク・マンシーナ。日本のテレビアニメでは異例の座組
  • 小夜とハジ、100年以上を共にしながら名前のつかない関係に胸が締めつけられる
  • 20年たっても答えの出ない最終回のバラ。観たあとに必ず誰かと話したくなる
目次

BLOOD+はどんなアニメ

2005年放送の全50話

棚に置かれた古いブラウン管テレビ(イメージ)

BLOOD+は、2005年10月8日から2006年9月23日まで放送されました。
MBSとTBS系の土曜18時台、前の番組は「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」です。

日曜の朝でも深夜でもなく、土曜の夕方。
ごはんの支度をしている音を背中で聞きながら観ていた人も多いと思います。

話数は全50話
1クール12話が当たり前になった今の感覚だと、かなり長く感じるはずです。

ただ、この長さには理由がありました。
物語の舞台が、沖縄からベトナム、ロシア、そしてニューヨークへと移っていくからです。
主人公が世界を横断する話を、駆け足でやらなかった。
そのぶん、1話ごとの積み重ねが最終回の重さになって返ってきます。

英語圏では「Blood+(Blood Plus)」の表記で知られていて、海外のアニメ配信でも根強く名前が挙がる作品でした。

制作はProduction I.G

木製デスクに置かれたパソコンの作業環境(イメージ)

作っていたのはProduction I.Gです。
「攻殻機動隊」を手がけたスタジオ、と言えば伝わる人が多いでしょうか。

監督・シリーズ構成
藤咲淳一。のちに小説版のエピローグも自ら書いています。
キャラクター原案
箸井地図。アニメーションキャラクターと総作画監督は石井明治が担当しました。
音楽
マーク・マンシーナ。音楽プロデュースにハンス・ジマーが名を連ねています。

そして、このアニメで一番驚かれたのが音楽でした。
ライオン・キング」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」の名前で知られる、ハリウッドの作曲家たちです
日本のテレビアニメで、この規模の座組が組まれたことはほとんどありません。
1話目からオーケストラの音が鳴った瞬間に、これは普通の深夜アニメと違うぞと感じた記憶があります。

20年経っても色褪せない理由

映写機とフィルムが並ぶ部屋(イメージ)

BLOOD+が今も語られる理由は、絵の密度にあります。
CGに寄りかからず、手で描き込まれた背景と作画です。
沖縄のコザの街並み、ベトナムの湿った空気、ロシアの雪。
土地ごとの温度差が、画面の色から伝わってきます。

もうひとつは、舞台に実在の場所を選んだことでした。
米軍基地のある沖縄、ベトナム戦争の記憶が残る土地。
架空の怪物と戦う話なのに、背景に本物の歴史が置かれています。
その組み合わせが、当時の視聴者に「これは子ども向けじゃない」と思わせました。

海外でも放送され、英語版のWikipediaやIMDbには今も詳細なページが残っています。
20年前のテレビアニメで、これだけ情報が更新され続けている作品はそう多くありません。

物語の中身に入る前に、まずは誰が出てくるのかを整理していきます。
登場人物の名前を思い出すと、記憶の戻り方が一気に変わるはずです。

登場人物と声優を紹介

音無小夜と宮城家の3人

主人公は音無小夜(喜多村英梨)です。
沖縄のコザで、血の繋がらない家族と暮らしている女子高生でした。
彼女が翼手という化け物と出会うところから、50話が動き出します。

宮城ジョージ(大塚芳忠)
小夜たちの養父。元米兵で、コザで「OMORO」という酒場をやっています。
宮城カイ(吉野裕行)
小夜の義兄。短気で口が悪く、序盤はとにかく突っかかってくる少年でした。その彼が、50話かけて別人のような顔になります。
宮城リク(矢島晶子)
小夜の義弟。聡明で穏やかな少年で、姉と兄の間に立っていつも場をやわらげています。

この3人の関係が、BLOOD+という作品の背骨になっています。
穏やかであることが、この物語の中でどれだけ危ういことなのか。
それを思い知らされるのが、中盤の展開でした。

喜多村英梨さんは魔法少女まどか☆マギカで主人公であるまどかの友人の美樹さやかを演じています

ハジという存在

チェロを弾く人の姿(イメージ)

ハジ(小西克幸)は、小夜のそばにいる寡黙な青年です。
チェロケースを背負い、短剣を使って小夜の戦いを支えます。
右手だけが異形で、その手を包帯で隠しています。

セリフはとても少ない人物でした。
けれど視聴者の記憶に一番残るのは、たいていハジです。

理由は、彼と小夜の関係が普通ではないからでした。
主従でも恋人でもない。
その名前をつけられないまま、100年以上を一緒に過ごしてきた2人です。
チェロという楽器が彼に与えられている意味は、最終回まで観るとはっきりします。

ディーヴァとシュヴァリエたち

オペラの舞台に立つ演者たち(イメージ)

ディーヴァ(矢島晶子)は、小夜の双子の妹です。
世界中の翼手を従える存在で、無邪気で残酷という、扱いに困る性格をしています。

気づいてほしいキャスティング

  • ディーヴァを演じる矢島晶子は、宮城リクと同じ声優
  • 姉の弟と、姉の妹に同じ声が当てられている
  • この配役の意味は、中盤のある事件で全員が理解することになる

ディーヴァに仕えるのがシュヴァリエ(シュバリエと表記されることもあります)と呼ばれる騎士たちです。
彼女の血によって人間から作り替えられた、5人の男たちでした。

アンシェル(中田譲治)
長兄にあたる参謀役。すべてを裏側から操っています。
ソロモン(辻谷耕史)
小夜に心を寄せてしまう金髪の騎士。敵でありながら一番揺れる人物です。
カール(佐々木望)
ファントムとも呼ばれ、序盤で小夜を執拗に追い詰めます。
ジェイムズ(大川透)
忠実な実行役。ディーヴァのためだけに動きます。
ネイサン(藤原啓治)
最後まで正体を見せない道化。終盤で見せる顔が忘れられません。

敵側の5人が、それぞれ違う理由でディーヴァのそばにいる。
その描き分けが丁寧で、終盤には彼らの側にも肩入れしてしまいます。

赤い盾とシフ

逆光の中に立つ人々のシルエット(イメージ)

小夜を支援する組織が「赤い盾」です。
現場の指揮を執るのがデヴィッド(小杉十郎太)。
無愛想で、感情をほとんど表に出さない男でした。
その相棒がルイス(長嶝高士)で、彼だけは終始やわらかい空気をまとっています。

医療スタッフのジュリア・シルヴァスタイン(甲斐田裕子)は、翼手研究の第一人者です。
若手ながら、小夜の身体に何が起きているのかを唯一言葉にできる人物でした。
組織を率いるジョエル・ゴルドシュミット(石田彰)の存在も、物語の背景を知るうえで欠かせません。

石田彰さんは鬼滅の刃の映画、無限列車編で初出演をする猗窩座を演じています。

そしてもう一組、忘れられないのがシフです。
翼手の実験によって生み出され、寿命を削られた者たちでした。
モーゼス(矢薙直樹)、カルマン(野島健児)、イレーヌ(豊口めぐみ)、そして少女のルルゥ(斎藤千和)。

彼らは敵として現れます。
でも、彼らが何のために戦っているのかを知ったとき、敵という言葉が使えなくなります。
イレーヌの最期は、シフというグループを語るときに必ず名前が出るシーンでした。

登場人物の名前が戻ってきたところで、次は音の話をさせてください。
BLOOD+を思い出すきっかけが主題歌だった人は、ここからが本題になります。

主題歌が名曲ぞろい

オープニング全4曲

引用:高橋 瞳 – トピック YouTubeチャンネル

BLOOD+のOPは4曲あります。
13話ごとに入れ替わる作りで、曲が変わるタイミングが、そのまま舞台が変わるタイミングでした。

第1話〜第13話「青空のナミダ」高橋瞳
沖縄編にぴったりの、まだどこか明るさの残る曲です。
第14話〜第25話「SEASON’S CALL」HYDE
ベトナム編に入り、作品の空気が一段暗くなります。HYDEの声が乗った瞬間、これは同じアニメだったかと思った記憶があります。
第26話〜第38話「Colors of the Heart」UVERworld
ロシア編にあたる区間。いま検索されるBLOOD+のOPは、たぶんこれが一番多いはずです。
第39話〜第50話「雷音」ジン
物語がニューヨークへ向かい、決着に進んでいく区間の曲でした。

4曲とも歌っている人のジャンルがバラバラなのに、並べて聴くと1本の線でつながって聞こえます。

エンディング全4曲

引用:ANGELA AKI YouTubeチャンネル

EDも同じく4曲です。

第1話〜第13話「語り継ぐこと」元ちとせ
この曲だけは、最終回の第50話でもう一度使われます。その意味は結末を知ってから聴くと変わります。
第14話〜第25話「CRY NO MORE」中島美嘉
ベトナム編の重さを引き受けるバラードです。
第26話〜第38話「This Love」アンジェラ・アキ
物語が一番冷たくなる区間の後ろで流れていた曲でした。
第39話〜第49話「Brand New Map」K
終盤を走り抜けるための曲。最終回だけは別の曲に譲ります。

正直に書きます。
私はBLOOD+の曲、8曲とも全部好きです。
そのうえで一番はどれかと聞かれたら、迷わず「This Love」を選びます。

30分観終わって、心が削られた状態であのピアノが入ってくる。
あの並びを設計した人は、たぶんわざとやっています。

劇伴とディーヴァの歌声

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主題歌が強い作品は、劇伴が印象に残らないことがよくあります。
BLOOD+は違いました。

オリジナル・サウンドトラックは2枚出ていて、1枚目には「BLOOD+ Grand Theme」という6分37秒のメインテーマが入っています。
オーケストラをフルで鳴らしたこの曲が、作品全体の背骨になっていました。
主題歌だけをまとめた「BLOOD+ COMPLETE BEST」というアルバムも発売されていて、8曲をまとめて聴きたい人はこのCDが早いです。

そして、音の話でどうしても書いておきたいのがディーヴァのことでした。
彼女は塔の中で育てられています。
名前も、教育も、誰かに愛されることもないまま、歌うことだけを許されていました。

「ディーヴァ」という名前は、その歌声を聴いた小夜がつけたものです。
イタリア語で女性歌手を意味する言葉でした。
つまり彼女は、歌う以外に自分を証明する手段を持たないまま生まれてきた存在なんです。

私はこのディーヴァの歌声が、当時からずっと好きでした
きれいなのに、聴いていると落ち着かない。
倒すべき相手なのに、歌っているあいだだけは彼女の側に立ってしまう。
あの感覚は、文字にすると全部こぼれます。
音として耳から入ってきたときにだけ成立する怖さでした。

主題歌が刺さった人ほど、本編を観たときの落差に驚くはずです。
曲だけ知っている段階では、まだ半分も受け取れていません。

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翼手とシュヴァリエとは

翼手という怪物の正体

霧に包まれた森の木々(イメージ)

BLOOD+に出てくる化け物は、翼手(よくしゅ)と呼ばれます。
見た目は人型から獣型までさまざまで、人間を襲って血を吸います。

やっかいなのは、彼らが人間社会に紛れて生きていることでした。
昨日まで普通に会話していた相手が、次の瞬間に翼手だったと分かる。
このアニメの怖さは、そこにあります。

翼手の始まりは1833年、アイスランドまでさかのぼります。
「SAYA」と呼ばれるミイラ化した謎の生物から、2つの繭が取り出されました。
その繭から生まれたのが小夜とディーヴァです

2人はどちらも翼手の女王でした。
片方は人間として育てられ、もう片方は塔に閉じ込められて実験動物として扱われた。
同じ場所から生まれた双子が、まったく違う扱いを受けたことが、この物語のすべての出発点になっています。

そして女王の血を注がれた人間は、シュヴァリエと呼ばれる存在に作り替えられます
ディーヴァ側の5人だけでなく、小夜にもシュヴァリエがいました。
ハジです。
彼が100年以上ものあいだ小夜のそばを離れないのは、そういう理由でした。

小夜の血と刀

暗い背景に置かれた刀身(イメージ)

小夜が翼手と戦うときの武器は、1本の日本刀です。
ただ、刀そのものに力があるわけではありません。
小夜は自分の指を切り、刃に血を塗ってから斬りかかります。

BLOOD+のバトルの基本ルール

  • 女王の血に触れた翼手は、体が結晶になって砕け散る
  • 敵を倒す手段が、自分を傷つけることと直結している
  • 小夜の血はディーヴァにとっても猛毒。姉妹の物語はひとつの結末にしか進めない

刀を構えるたびに指を切るという動作が50話くり返されることの意味は、終盤になるほど重くのしかかってきます。

沖縄から始まる物語

ヤシの木と商店が並ぶ南国の街並み(イメージ)

物語が始まる場所は、沖縄のコザです。
架空の街ではありません。
米軍基地があり、外国人と地元の人が同じ通りを歩いている、実在の土地でした。
第1話で小夜が翼手と遭遇するのも、その基地の中です。

化け物と戦うアニメの舞台に、あえて基地の街を選んだ。
この選択が、BLOOD+を単なるバトルアニメから引き離しています。
物語は沖縄からベトナムへ、そしてロシア、ニューヨークへと広がり、行く先々にその土地が抱えてきた歴史が置かれていました。

ここから先は、その50話で何が起きたのかを書いていきます。
まだ観ていない方は、ここでいったんページを閉じてください。
観たあとで戻ってきてもらえたら、この記事の続きが答え合わせになります。

あらすじと結末ネタバレ

第1話、記憶のない少女

照明の落ちた暗い廊下(イメージ)

物語が始まるのは2005年9月の沖縄です。
音無小夜は、ひどい貧血で毎朝輸血を受けながら学校に通う女子高生でした。
記憶があるのは、たった1年ぶんだけ。
それ以前の自分を、彼女は何も覚えていません。

ある夜、忘れ物を取りに学校へ戻った小夜は、そこで人ではないものに襲われます。
そこへ、チェロケースを背負った青年が現れました。
彼は日本刀を差し出して、一言だけ言います。
血を、と。

意味も分からないまま小夜は自分の指を切り、刃に血を塗りました。
その瞬間、化け物は結晶になって砕けます。
同時に、彼女の平凡な毎日も砕けました。

全50話の流れを4章で整理

色分けされた世界地図(イメージ)

50話は、大きく4つの区間に分かれています。
OPが変わるタイミングと、ほぼ一致していると思ってください。

第1話〜第13話 沖縄編
小夜が失うのは家族でした。養父の宮城ジョージは、かつて投与された薬の影響で少しずつ翼手に変わっていきます。人間の姿のまま、小夜の手にかかって死にたい。ジョージが望んだのはそれでした。
第14話〜第25話 ベトナム編
小夜はリセ・ドゥ・サンクフレシュという女学校に潜入し、アリスンら同級生と過ごしながら翼手を追いました。学園生活の穏やかさと、その裏で進んでいることの落差が、この区間の怖さです。
第26話〜第38話 ヨーロッパ編
ロンドンやロシアへ舞台が移ります。第30話で読まれるジョエルの日記によって、小夜自身の出自と1972年にベトナムで起きた惨劇が明かされました。シフと呼ばれる者たちも姿を見せ始めます。
第39話〜第50話 アメリカ編
ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が、すべての決着の場所になります。

各話のサブタイトルを追いながら観ると、この4章構成の設計の良さがよく分かるはずです。

ここから先は結末に触れます。未視聴の方はご注意ください。

リクに起きたこと

砕けた陶板の破片(イメージ)

BLOOD+の視聴を途中でやめた人の多くが、ここで止まっています。
第32話
赤い盾の船が、ディーヴァとカールの襲撃を受けます。
2人が探していたのは「あの子」でした。
宮城リクです。

ディーヴァはリクを見つけ出し、彼を暴行したうえで自分の血を与えました。
テレビアニメの表現としては、かなり踏み込んだ描き方だったと思います。
そしてリクの身体は結晶になり、砕けました。
小夜の目の前で、ディーヴァは何をしたかを楽しそうに語ります。

ここで、あの配役が効いてきます。
弟のリクと、妹のディーヴァ
矢島晶子さんが演じる2人が、こういう形で交わってしまう。
同じ声で「お姉ちゃん」と呼ばれた記憶が、最悪の形で上書きされる回でした。
私はこの32話を観たあと、しばらく次の話を再生できませんでした。

さらに残酷なのは、この出来事が終わりではなかったことです。
ディーヴァはこのあと、リクとのあいだに双子を身ごもります。
失われた命から新しい命が生まれるという構図が、最終回まで小夜を縛り続けました。

最終回とディーヴァの最期

引用:元ちとせ YouTubeチャンネル

終盤は、退場が続きます。
第47話でソロモンが小夜の刀に自ら身を寄せ、結晶になって消えました。
小夜に心を寄せてしまった騎士の、最後の選び方です。

第48話、ディーヴァはメトロポリタン歌劇場の舞台に立ちます。
歌い始めた瞬間、客席の人々が次々と翼手に変わっていきました。
彼女に唯一許されていた「歌う」という行為が、そのまま最大の兵器になる。
この演出が、私はいまだに忘れられません。

そして第49話「二人の女王」
小夜とディーヴァの決着がつきます。
ディーヴァは結晶となり、崩れ落ちました。
道化を演じ続けたネイサンは、自分を殺してほしいと小夜に頼み、彼女はそれに応じます。
ディーヴァが遺したのは、2人の赤ん坊でした。

最終話は第50話「ナンクルナイサ」
沖縄の言葉が、そのままタイトルになっています。
小夜は翼手ごと自分も消そうとしますが、カイの言葉に手が止まりました。
生きて、あの子たちを育ててほしい
そう告げたのはハジです。

直後、アンシェルが襲いかかり、ハジがそれを食い止めます。
崩れ落ちる建物のなかで、ハジの姿は見えなくなりました。
小夜は沖縄に戻り、家族が眠る墓所で長い眠りにつきます。
30年ごとに訪れる冬眠でした。
カイは、彼女が目を覚ますまで双子を育てると約束します。

そして最終回のエンディングで流れるのが、第1話から13話まで使われていた「語り継ぐこと」でした。
50話を経てから同じ曲を聴くと、タイトルの意味がまったく変わって聞こえます。
語り継ぐのは誰なのか。
その答えが、この物語の着地点でした。

ただ、ひとつだけ決着がついていない問いが残っています。
ハジのことです。

ハジは生きているのか

最終回で描かれたこと

崩れ落ちた建物の残骸(イメージ)

まず、作中で確かに描かれたことだけを並べます。
小夜はかなり早い段階から、ハジにひとつのことを頼んでいました。

ディーヴァを倒したら、自分を殺してほしい。

それが2人の約束でした。

最終回、小夜はその約束を果たすようハジに求めます。
けれどカイの言葉を受けたハジは、拒みました。
そして、100年以上隠し続けてきた自分の気持ちを、初めて口にします。

直後にアンシェルが襲いかかりました。
ハジは小夜の血が塗られた刃でアンシェルを退けます。
その直後、崩れ落ちる建物の瓦礫の下へ姿を消しました。
ここで重要なのは、彼の遺体が一度も映らないことです。
死んだとも、生きているとも、作品は言いません。

そして物語は、3年後のエピローグへ飛びます。
カイが2人の子どもを連れて、小夜が眠る墓所を訪れる場面でした。
そこに、一輪のバラが置かれています。
そのバラを結んでいたリボンは、ハジが髪を束ねていたものと同じ色でした。
カイは、それを見て何かに気づいた顔をします。
セリフでの説明は、ありません。

生存説と死亡説の根拠

一輪の赤いバラ(イメージ)

このバラをどう読むかで、BLOOD+の後味は正反対になります。

生存説の根拠

  • 遺体が一度も描かれていない
  • バラを結んだリボンの色が、ハジのものと一致している
  • シュヴァリエは通常の攻撃では死なない存在として描かれてきた

死亡説の根拠

  • シュヴァリエは仕える女王と運命を共有する存在。小夜が眠った以上、役目は終わっている
  • バラを置いたのがハジ本人だという証拠はどこにもない
  • ジョージもリクもソロモンも死んでいる。ハジだけ例外になるだろうか

私はどちらを取るか。
生存説です。
理由は理屈ではなくて、あのバラが「生きている」ことより「まだ小夜を待っている」ことを描いた画に見えたからでした。

30年後に彼女が目を覚ましたとき、そこに誰が立っているのか。
その1カットのために、50話ぶんの沈黙があったのだと思っています。
あなたはどちらに読めましたか。

このバラのシーンは、文章で説明されると「なんだそんなことか」と思うはずです。
実際に50話を積み上げてから観ると、まったく別のものが映ります。
答えを知ることと、あの数秒に立ち会うことは、別の体験でした。

BLOODシリーズの見る順番

THE LAST VAMPIREが原点

光を放つ映写機(イメージ)

すべての出発点は、2000年に公開された「BLOOD THE LAST VAMPIRE」という劇場アニメでした。
監督は北久保弘之さん、制作はProduction I.G。
上映時間はわずか48分の短編です。

舞台は1966年、米軍基地。
日本刀を持った小夜という少女が、鬼と呼ばれる存在を斬っていく話でした。
声を当てたのは女優の工藤夕貴さんです。
セリフの多くが英語で、当時としては珍しい全編デジタル制作でもありました。

この48分に詰まっていた設定、つまり日本刀と少女と基地の街という組み合わせが、5年後のBLOOD+に受け継がれます。

  • 実写映画化されたのは「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のほうで、BLOOD+ではありません
  • 2009年公開、邦題は「ラスト・ブラッド」。監督はクリス・ナオン
  • 主演は「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョン

BLOOD-Cは全くの別物

二手に分かれる土の道(イメージ)

もうひとつ、検索でよく並ぶのがBLOOD-Cです。
2011年7月から9月に放送された全12話のテレビアニメで、原作はCLAMP、監督は水島努さん。
翌2012年には「劇場版 BLOOD-C The Last Dark」が公開されました。
こちらは塩谷直義さんが監督を務め、上映時間は110分です。

主人公の名前は更衣小夜
同じ「小夜」で、同じく日本刀を使い、同じProduction I.G制作。
だから続編だと思われがちなのですが、ストーリーは一切つながっていません
BLOOD+の小夜とBLOOD-Cの小夜は、別人です。

音楽の面でも別物でした。
BLOOD-CのOPはDUSTZの「spiral」、EDは水樹奈々さんの「純潔パラドックス」。
劇場版の主題歌も水樹奈々さんの「METRO BAROQUE」です。
BLOOD+の主題歌の並びとは、まったく違う手ざわりになっています。

なお、BLOOD-Cは作風もかなり違います。
BLOOD+が1年かけて感情を積み上げる作りなのに対して、BLOOD-Cは短い話数で一気に落とす作りでした。
同じシリーズだと思って続けて観ると、面食らうかもしれません。

CLAMP原作の映像化作品には「カードキャプター桜」や「xxxHOLiC」があります。

おすすめの視聴順

ノートにリストを書き込む手元(イメージ)

結論を先に書きます。
BLOOD+から観てかまいません。
3作は世界観のモチーフを共有しているだけで、話は独立しています。
前提知識ゼロで第1話を再生して、まったく問題ありません。

1本目 BLOOD+(2005年・全50話)
一番長く、一番丁寧に感情を積む作品。ここから入るのが分かりやすいです。
2本目 BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年・48分)
原点が気になったら。短いので気軽に観られます。
3本目 BLOOD-C(2011年・全12話)
まったく別の解釈を見たくなったら。劇場版までセットで観るのがおすすめです。

先に短編や別解釈を観てしまうと、50話の重さが薄まります。
海外のファンwikiでも3作の関係はたびたび整理されていて、やはりBLOOD+から入るのが分かりやすいという説明が多いようです。

最後に、よく聞かれる続編についても書いておきます。
BLOOD+のアニメとしての続編は作られていません。
BLOOD+単体の劇場版も存在しません。
ただし、放送から10年後を描いた小説版があります。
その話は、次の見出しで扱います。

3作品の関係が整理できたところで、まずはBLOOD+本編から手をつけてみてください。
50話を一気に観られる環境があれば、今夜から始められます。

原作漫画とゲーム版

漫画は3種類ある

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先に整理しておくと、BLOOD+はアニメが先です。
原作漫画があってアニメ化された作品ではありません。
放送と並行して、3つの漫画が別々の雑誌で連載されました。

BLOOD+(桂明日香・全5巻)
月刊少年エースで連載された、アニメとほぼ同じ物語を追うシリーズです。
BLOOD+ Adagio(末包久美子・全2巻)
ロシア革命期の小夜とハジを描いていて、アニメでは語られなかった時間が読めます。
BLOOD+ 夜行城市(如月弘鷹・全1巻)
上海を舞台に、小夜を探すハジの側から書かれた作品。アニメでほとんど喋らなかった彼が何を考えていたのかを知りたい人には、この1冊が一番刺さります。

小説版が描くその後

開いた本を手に持つ人(イメージ)

小説はマッグガーデン・ノベルズから出ています。
こちらが扱うのは、アニメの放送から10年後の世界です。
しかもエピローグを書いているのは、テレビシリーズの監督だった藤咲淳一さん本人でした。
最終回の続きが気になったまま20年過ごした人にとって、ここが唯一の公式な続きになります。

PS2とPSPのゲーム3本

白いゲームコントローラー(イメージ)

ゲームは2006年に3本まとめて出ました。

BLOOD+ 双翼のバトル輪舞曲(PS2・2006年7月27日)
アニメのベトナム編とロシア編のあいだにあった空白の7日間を描くアクションです。
BLOOD+ ONE NIGHT KISS(PS2・2006年8月31日)
開発はグラスホッパー・マンファクチュア。曲名だと思われがちですが、ゲームのタイトルです。
BLOOD+ ファイナルピース(PSP・2006年9月7日)
オリジナルの物語が4本と、新規のアニメーションが収録されたアドベンチャーです。

どれも中古でしか手に入らない状態ですが、本編を観返したあとだと探したくなるはずです。
まずは、その本編をどこで観られるのかを確認しておきましょう。

BLOOD+の配信サービス

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U-NEXTなら全50話見放題

ソファに座って画面を見る人(イメージ)

BLOOD+は現在、U-NEXTで全50話が見放題配信されています。
31日間の無料体験があるので、期間内に観きってしまえば費用はかかりません。

全50話、1話あたり約24分。
合計するとおよそ20時間です。
週末2日を使えば十分に走りきれる長さでした。

途中でやめた人にすすめたいのは、31話あたりからの再生です。
リクに何が起きるのかを知ったうえで観ると、その前後の描写が全部違って見えます。
沖縄編から観直す時間が取れない人でも、そこからなら追いつけるはずです。

作品を探すときは「BLOOD+」または「ブラッドプラス」で検索してください。
BLOOD-CやBLOOD THE LAST VAMPIREが並んで出てくるので、選び間違いにだけ気をつけてもらえたらと思います。

HuluとdアニメストアもOK

スマートフォンを手に持つ人(イメージ)

U-NEXT以外にも、見放題で観られる場所があります。
Huluでは全50話が見放題配信中です。
無料体験はありませんが、すでに契約している人ならそのまま観られます。

dアニメストアにもBLOOD+の公式ページがあり、こちらも見放題の対象でした。
アニメだけを月額数百円で観たい人には、ここが一番安く済みます。

どのサービスで観るかは、他に何を観たいかで決めるのが早いと思います。
BLOOD+と一緒にBLOOD THE LAST VAMPIREやBLOOD-Cも押さえたいなら、シリーズがそろっている環境を選んでおくと後が楽です。

\すでにHulu会員なら、追加料金なしで全50話そのまま観られます/

Prime Videoはレンタル扱い

重ねられたディスク(イメージ)

Amazon Prime Videoでも配信はされています。
ただしこちらは見放題ではなく、1話ずつのレンタルです。
50話を全部借りると、見放題サービスの月額をかなり上回ります。
数話だけ確認したい人向けの選び方だと思ってください。
music.jpも同じくレンタル形式での提供でした。

円盤で手元に置きたい人には、DVDという選択肢もあります。
放送当時にリリースされたDVDは全13巻。
中古市場でしか見かけなくなりましたが、映像特典目当てで探している人はいまだにいます。

配信の状況は入れ替わることがあるので、登録前に各サービスの作品ページで確認してもらえると確実です。

20年前のアニメで、これだけ見放題で選択肢が残っている作品はそう多くありません。
思い出したのが今日なら、今日のうちに1話目を再生できます。

よくある質問

BLOOD+は全部で何話ありますか。

全50話です。
1話約24分なので、通しで観るとおよそ20時間かかります。
放送は2005年10月から2006年9月までの1年間でした。

BLOOD-Cとストーリーはつながっていますか。

つながっていません。
どちらもProduction I.G制作で、主人公の名前も同じ「小夜」ですが、別人です。
BLOOD-CはCLAMPが原作の全12話で、2011年の作品になります。

実写映画版はありますか。

BLOOD+そのものの実写版はありません。
実写化されたのはシリーズの原点である「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のほうで、2009年に「ラスト・ブラッド」として公開されました。
主演はチョン・ジヒョンさんです。

続編が作られる予定はありますか。

アニメの続編は制作されていません。
ただし放送から10年後を描いた小説版があり、エピローグを監督の藤咲淳一さんが書いています。
最終回の先が気になる人は、そちらが唯一の公式な続きです。

BLOOD+のDVDは今も買えますか。

放送当時の単巻DVDは全13巻で、のちにコンプリートDVD-BOXとBlu-ray Disc BOX(完全生産限定版)も発売されました。
いずれも現在は中古が中心です。
すぐに観たいだけなら、見放題の配信サービスのほうが早く安く済みます。

まとめ

最初に書いたとおり、私はこの作品を曲から思い出しました。
20年間ずっと、BLOOD+は自分の中で「主題歌がよかったアニメ」でした。

でも観返してみると、順番が逆だったことに気づきます。
曲がよかったのではありません。
あの50話があったから、8曲がそこまで刺さっていたんです。

最終回で「語り継ぐこと」がもう一度流れる意味も、そこにあります。
小夜は30年眠り、カイは老いていく。
同じ時間を生きられない2人のあいだで、記憶を持ち続けるのは残された側でした。
語り継ぐのは、観た人です。

あなたが最後に覚えているBLOOD+の場面は、どこですか?
私は、ディーヴァが舞台で歌い出す瞬間でした。
あの数十秒を思い出せる人なら、たぶんもう一度観る理由は十分にあります。

BLOOD+はU-NEXTとHulu、dアニメストアで全50話が見放題配信中です。
20時間ぶんの記憶を取り戻すのに、かかるのは週末2日だけでした。

\あのバラのシーンを、もう一度この目で。U-NEXTは31日間無料です/

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