かしゅーこんにちは、かしゅーです。



今回は古田新太さん主演の学園ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」を紹介していきます。
「嫌な事は人生の差し色」
このセリフだけ頭に残っていて、どのドラマだったか思い出せない人がいると思います。
2019年に日本テレビで放送された土曜ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」で、古田新太さん演じる原田のぶお先生が口にした言葉です。
女装した52歳の男性教師が、私立高校の2年3組に担任として赴任してくる。
あらすじだけ聞くと色物のコメディに見えますが、10話を観終わったあとに残るのは笑いではありませんでした。
私は放送当時にリアルタイムで観て、7年たった今、もう一度1話から観直しました。
記憶していたより、ずっと真面目なドラマでした。
この記事では、全10話のあらすじと結末のネタバレ、キャストと相関図、主題歌、ロケ地、そして原田のぶお先生が最後にどうなるのかまでをまとめています。
永瀬廉さん、道枝駿佑さん、長尾謙杜さんの3人が2年3組の生徒を演じているので、それぞれの見せ場がある話数もはっきり書きました。
配信は、Amazonプライムビデオで全10話が見放題になっています。
初回30日間の無料体験があるので、今夜から1話を観ることもできます。Huluでも全話が見放題です。
まずは、これがどんなドラマだったのかから見ていきます。
- Amazonプライム・Hulu・ネトフリ・U-NEXTの配信状況
- キャスト一覧と相関図、生徒役27人の役どころ
- 永瀬廉・道枝駿佑・長尾謙杜の見せ場がある話数
- 全10話のネタバレと、のぶおの病気と余命のこと
- 主題歌・ロケ地・名言セリフ集
\初回30日間無料・月額600円/
\月額1,320円で見放題作品が見られる/
- 女装した52歳の教師が、誰ひとり「変われ」と言わないまま生徒を変えていく
- 1話完結だから途中の回から観ても置いていかれない
- 永瀬廉・道枝駿佑・長尾謙杜の7年前の高校生姿が10話ぶん残っている
- 短いセリフが刺さる。長い説教が一度もない学園ドラマ
- 最終回のラストでタイトルの意味がひっくり返る
俺のスカート、どこ行った?とは
2019年日テレ土曜ドラマの学園劇

「俺のスカート、どこ行った?」は、2019年4月20日から6月22日まで日本テレビの土曜ドラマ枠で放送された学園ドラマです。
放送時間は毎週土曜の22時から22時54分まで。全10話で完結しました。
舞台になるのは、私立豪林館学園高校。
「ダイバーシティ」を宣言として掲げた高校で、その方針のもとに赴任してくるのが主人公の原田のぶおです。
ファンのあいだでは「俺スカ」と略されています。
タイトルのふざけた響きから、コメディ寄りの軽い学園ドラマだと思われがちでした。
実際に観ると、扱っているのは不登校、家庭の貧困、進学実績を優先する学校運営、ネットでの炎上と、どれも真正面からの題材です。
その重さを、女装した52歳の教師がまるごと引き受けて笑いに変えていく。
その落差が、この作品の一番の特徴だと思っています。
あらすじを1分でおさらい

新学期、2年3組に新しい担任がやってきます。
現代文教師の原田のぶお(古田新太)。
52歳、ゲイ、女装家。スカート姿で教壇に立ち、生徒たちのリア充的な高校生活に真正面から突っ込んできます。
学校側の狙いは「ダイバーシティ」の看板でした。
一方で、数学教師の長井あゆみ(松下奈緒)は「私に任せていただければ、偏差値を10上げてみせます」と言い切る指導方針を持っています。
毎朝8時25分に校門を閉める長井に対し、のぶおは「8時40分に門が閉まっていたらぶっ壊す」と宣言して、本当に壊してしまう。
2人の教育観は最初から真逆でした。
反発したのは教師だけではありません。
クラスのリーダー格である明智秀一(永瀬廉)と東条正義(道枝駿佑)は、のぶおを辞めさせるための賭けを始めます。
その作戦に使われたのが、人と接するのが苦手で、いつもマスクをつけている若林優馬(長尾謙杜)でした。
物語のストーリーはここから、1話ごとに生徒1人の抱えているものへ踏み込んでいく形で進みます。
不登校の生徒、集団カンニング、職場体験でのトラブル、退学届。
そのすべてに、のぶおは常識から外れた方法で向き合っていくんです。
全10話の放送日と平均視聴率

全何話かというと、全10話。1話あたり45分から46分なので、通しで観ても7時間半ほどです。
平均視聴率は8.7パーセントでした。
各話の放送日と視聴率は次のとおりです。
| 話数 | 放送日 | サブタイトルの要旨 | 視聴率 |
|---|---|---|---|
| 第1話 | 4月20日 | のぶおが「人間として当たり前」のことを教える | 10.9% |
| 第2話 | 4月27日 | ブラック部活発覚、チアダンス部の顧問に | 9.7% |
| 第3話 | 5月4日 | 不登校問題とカンニング騒動 | 7.9% |
| 第4話 | 5月11日 | 生徒たちが職場体験実習でトラブル | 8.6% |
| 第5話 | 5月18日 | のぶおが恋愛プロデュース | 8.5% |
| 第6話 | 5月25日 | 授業参観に謎の父親、教師の結婚事情 | 7.3% |
| 第7話 | 6月1日 | 退学届の真実 | 8.5% |
| 第8話 | 6月8日 | 文化祭で衝撃のカミングアウト | 7.9% |
| 第9話 | 6月15日 | ネット炎上でのぶおが学校を追放 | 8.9% |
| 最終話 | 6月22日 | のぶおの最後の授業、そして卒業式 | 8.7% |
初回の10.9パーセントが最高で、そこから8パーセント前後で推移しました。
数字だけ見れば派手な大ヒットではありません。
ただ、後半に向かって落ち込まず、第9話でもう一度上がっているのがこのドラマらしいところです。
炎上と追放という一番重い回で、視聴者が離れずに増えていました。
脚本・監督とスタッフ

脚本を書いたのは加藤拓也さんです。
劇作家として舞台の世界で評価されてきた人で、この作品には原作となる漫画も小説もありません。完全なオリジナル脚本です。
監督にあたる演出は、狩山俊輔さん、水野格さん、茂山佳則さんの3人が担当しました。
第1話から第3話、第7話、第9話、最終話という物語の節目を狩山さんが担当しています。
音楽は井筒昭雄さん。
そしてもう1つ、この作品の性格を決めているのが「キャラクター監修」という役職です。
原田のぶおというキャラクターの監修に、ドラァグクイーンのブルボンヌさんと、日本テレビ社員の白川大介さんが入っています。
白川さんはご自身もゲイであることを公表したうえで、報道の現場で性的マイノリティの取材を続けてきた人です。
女装教師という設定を思いつきだけで作っていない。
そのことは、のぶおの服のセンスや言葉の選び方を見ていると伝わってきます。
では実際、この作品を今どこで観られるのか。
そこが一番知りたい部分だと思うので、次に配信状況を整理します。
配信はどこで見れる?
紹介している作品は、2026年10月時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細はHuluの公式ホームページにてご確認ください。
Amazonプライムで全話見放題
「俺のスカート、どこ行った?」は、Amazonプライムビデオで全10話が見放題配信されています。
ここは注意して読んでほしいところです。
この作品を扱った記事の多くは「Amazonプライムでは配信されていません」と書いています。その情報はもう古いです。
Amazonのプライムビデオでは、現在すべての話がプライム会員特典の対象になっています。追加のレンタル料金はかかりません。
プライム会員の料金は月600円。初回登録なら30日間の無料体験がついてきます。
全10話で7時間半ほどですから、30日あれば余裕をもって完走できる計算です。
配信サービス選びで迷っているなら、まずここを押さえておけば間違いありません。
\まずは1話だけ。Amazonプライムなら30日間無料で試せます/


Huluでも全10話が見放題

もう1つの選択肢がHuluです。
日本テレビのドラマを長く扱っているサービスなので、この作品も配信開始からずっと見放題に入っています。
料金は月額1,320円(税込)。
こちらは無料お試し期間が用意されていないため、登録したその月から料金が発生します。
Amazonプライムとの違いは、日テレ作品のラインナップの厚さでした。
古田新太さんや松下奈緒さんの他の出演作、同じ土曜ドラマ枠の過去作をまとめて追いかけたいなら、Huluのほうが向いています。
逆に、この1作品だけを観たいなら無料体験のあるAmazonプライムのほうが負担は軽いはずです。
\他の日本テレビ作品を合わせて観る/


ネトフリとU-NEXTは配信なし

観られないサービスも先にはっきりさせておきます。
Netflix(ネトフリ)では配信されていません。作品ページ自体が存在しない状態です。
U-NEXTでも配信はありません。
日本テレビ系のドラマは配信先が限られていて、この2つのサブスクでは扱われていないんです。
「サブスクで観られる」と言われて探しに行き、見つからずに戻ってきた人がいるとしたら、理由はここにあります。
見放題で観られるのはこの2つだけ
- Amazonプライムビデオ(月600円・初回30日間無料)
- Hulu(月1,320円・無料期間なし)
- どちらも全10話がフルで揃っています
DVDとBlu-ray BOXで手元に置く
配信ではなく手元に残したい人向けの選択肢もあります。
Blu-ray BOXとDVD-BOXが、2019年10月2日に発売されています。
Blu-ray BOXは6枚組。本編5枚に特典ディスクが1枚ついて、収録時間はおよそ520分です。
配信版には入っていない映像特典が観られるのは、このBOXだけになります。
DVDやBlu-rayをレンタルで済ませたい場合は、TSUTAYA DISCASの宅配レンタルが対応しています。
旧作扱いなので1枚399円から。BOXを買う前に中身を確かめたいときにも使えます。
配信で観るか、手元に置くか。
どちらを選ぶにしても、この作品は1話ごとに完結しているので、途中から観ても置いていかれることがありません。
第1話で校門をぶち壊す場面まで観れば、あとは自然に最終話まで進んでしまうと思います。
\好きな作品をレンタルする/
キャストと登場人物の相関図
主演 古田新太が演じた原田のぶお


主演は古田新太さん。
演じるのは、豪林館学園高校2年3組の担任になる現代文教師、原田のぶおです。
52歳、ゲイ、女装家。普段はゲイバーを経営していて、校長がその店の客だった縁で教壇に呼び戻されたと本人は説明します。
ただ、これは半分だけ本当でした。
のぶおはバーを始める前、すでに教師をしていた過去があります。その事実が明かされるのは第9話です。
古田新太さんといえば、悪役や強面の役で見てきた人が多いと思います。
この作品では、その顔を1話目から全部脱ぎ捨てていました。
派手な柄のワンピースにウィッグ、指先まで整えたネイル。それでいて声も歩き方も一切作らず、そのまま「男の声」で喋る。
ちぐはぐなんです。
でも観ているうちに、そのちぐはぐさこそが原田のぶおという人間なのだと納得させられてしまいます。
中学生時代を若林時英さん、過去編を木戸邑弥さんが演じています。
豪林館学園の教師キャスト


この作品は先生役の層が厚いところも見どころでした。主要な教師キャストを整理します。
- 長井あゆみ(松下奈緒)
- 34歳の数学教師で、生活指導も担当。「偏差値を10上げる」を信条にする完璧主義者で、大雑把なのぶおとは最初から衝突しっぱなしでした。
- 里見萌(白石麻衣)
- 24歳の世界史教師。教師に憧れて現場に来たものの、理想とのギャップに心がやさぐれている役どころ。ときどき飛び出す過激な発言が話題になりました。
- 田中みちる(桐山漣)
- 32歳の日本史教師で、2年3組の副担任。のぶおに振り回され続けるポジションなのですが、回を重ねるごとに表情がやわらかくなっていくのが愛おしい。
- 矢野伸也(小市慢太郎)
- 55歳の古文教師。第9話で校長の後任を任されますが、そこである事実が明らかになります。
- 広田誠(じろう)
- 英語教師でカバディ部の顧問。学年主任のポストを狙っています。シソンヌのじろうさんが、笑わせにこない芝居で場を締めていました。
- 古賀健太(荒川良々)
- 生物教師で天文部顧問。研究者として食べていけなくなり、教員免許を取ったという設定です。
- 庄司雅俊(大倉孝二)
- 45歳の保健体育教師で2年の学年主任。広田と古賀にツッコミを入れる役回りでした。
- 佐川天音(大西礼芳)
- 28歳の養護教諭で、この学校で唯一の癒しと言っていい存在です。
- 岡田三四郎(田野倉雄太)と須長伝次(中川大輔)
- 岡田は美術教師。須長は23歳の化学教師で、祖父と父も化学教師という三代目です。
- 寺尾綴(いとうせいこう)
- 58歳の校長。「ダイバーシティ」を宣言してのぶおを呼んだ張本人でした。
2年3組の生徒キャスト一覧


生徒役のキャストは、男子と女子を合わせて発表時点で27人います。
そのなかで名前と役割がはっきり描かれた生徒を挙げます。
光岡慎之介(阿久津仁愛)は、2年の始業時点で不登校だった生徒です。彼の事情が第3話の中心になります。
牛久保元(須藤蓮)と駒井和真(堀家一希)は明智グループの一員。牛久保は第3話で音読を延々とやらされ、駒井は第4話で自分のために頭を下げたのぶおに恩を感じるようになります。
女子生徒では、川崎結衣(髙橋ひかる)がチアダンス部所属で、大会直前に足を捻挫したことからのぶおと親しくなりました。東条とは幼馴染です。
今泉茜(竹内愛紗)は、不登校だった光岡と以前から仲が良かった生徒。堀江もも(箭内夢菜)も同じチアダンス部で、第8話では告白される側になります。
生徒役はモブで終わらず、それぞれに一言ずつ見せ場が用意されていました。
なにわ男子と永瀬廉の出演回
このドラマを今から観る理由として、いちばん大きいのがここだと思います。
2年3組には、当時ジャニーズ事務所に所属していた3人が生徒役で出演しています。
3人の見せ場がある話数
- 永瀬廉(明智秀一)→ 第7話・第9話・最終話
- 道枝駿佑(東条正義)→ 第8話・第4話
- 長尾謙杜(若林優馬)→ 第5話
明智秀一を演じるのが永瀬廉さん(King & Prince)。
クラスのリーダー格で、東条たちと「のぶおが学校を辞めるかどうか」の賭けをして反抗する役です。
永瀬さんの見せ場は第7話。父・明智純一(板尾創路)との関係から退学届を出すという、シリーズで最も重い回の中心にいます。第9話でものぶおと並ぶ立場になり、最終話では卒業式を提案する側にまわりました。
東条正義を演じるのが道枝駿佑さん(なにわ男子)。
放送当時17歳です。最初はのぶおに最も反抗的な生徒で、そこから徐々に協力側へ回っていきます。
出番の密度が高いのは第8話。文化祭でクラスが出す「女装バー」で、ママ役を務めるのが東条でした。第4話の職業体験も東条中心の回です。
若林優馬を演じるのが長尾謙杜さん(なにわ男子)。
人と接するのが苦手で、当初はずっとマスクをつけている生徒でした。クラスで最初にのぶおを理解する人物になります。
長尾さんを目当てに観るなら第5話です。若林の恋を、のぶおとクラス全員でプロデュースする回になっています。
3人とも高校生役が板についていて、今の姿を知っているほど落差が効きます。
7年前の顔が10話ぶん残っている作品は、そう多くありません。
永瀬廉さんは朝ドラの「おかえりモネ」、道枝駿佑さんは「消えた初恋」などにも出演しています。




ゲスト出演の宮﨑優と田辺桃子
ゲスト出演にも、その後に活躍する俳優が並んでいます。
宮﨑優さんは第5話に出演しています。デビューから1年ほどの時期で、公式のキャスト表に役名の記載がないため、ここでは出演回だけをお伝えします。
同じ第5話には田辺桃子さんが、東条と顔見知りの2年1組の生徒・山上愛理役で登場しました。
第7話には明智の父・明智純一役で板尾創路さん、第3話には光岡の母・光岡弘子役で須藤理彩さんが出ています。
第2話でチアダンス部の前顧問・戸塚を演じたのは平岩紙さんでした。
相関図でわかる人物の関係

登場人物が多い作品なので、相関図は3つの層で捉えるとすっきりします。
1つ目が教師陣。のぶおと長井あゆみの対立を中心に、里見萌、田中みちる、矢野伸也、広田誠、古賀健太、庄司雅俊が並び、その上に校長の寺尾綴がいます。
2つ目が2年3組。明智秀一、東条正義、若林優馬、光岡慎之介の4人が物語を動かし、川崎結衣と今泉茜、堀江ももが女子側の中心です。
そして3つ目が、意外と見落とされる原田家です。
のぶおには娘がいます。原田糸(片山友希)、21歳の美術大学4年生。母親を早くに亡くし、ゲイで女装家の父に育てられました。
のぶおにとって糸は娘であり、妻であり、母親のような存在でもあります。
その家に入り浸っているのが安岡一道(伊藤あさひ)。25歳、東大出身の官僚で、糸の元彼です。
1年ほど付き合って別れたのに、のぶおを心の師と仰いで通い続けている。
第5話からは糸の現在の彼氏、ウィンザー(三浦ロディ)も加わります。
この3人が出てくる場面だけ、学園ドラマがホームドラマに変わるんです。
のぶおが学校でどんな顔をしていても、家に帰ればこの関係が待っている。そう思って観ると、教室の場面の意味も少し変わってきます。
キャストの話をしたので、次はこの作品の空気を決めていた音楽についてお話しします。
主題歌はザ・コインロッカーズ
「憂鬱な空が好きなんだ」
主題歌は、ザ・コインロッカーズの「憂鬱な空が好きなんだ」です。
エンディングテーマとして、毎話の終わりに流れました。リリースはワーナーミュージック・ジャパン。
タイトルからして、この作品にぴったりの曲でした。
晴れた空が好きだと言えない人のための歌なんです。
生徒たちがそれぞれの事情を抱えたまま次の週へ進んでいく。その余韻に、この曲がきれいに重なっていました。
デビュー前に抜擢された39人

この曲を歌っているザ・コインロッカーズは、メンバー39人のガールズバンドです。
しかも、ドラマの主題歌に決まった時点で、結成からまだ4か月しか経っていませんでした。
CDデビューすら果たしていない段階での連続ドラマ主題歌の抜擢。
かなり異例の起用だったと思います。
デビュー前のバンドに主題歌を任せる。それ自体が、この作品の「まだ何者でもない人を信じる」というテーマとつながっているように見えました。
曲の話をしたところで、いよいよ物語の中身に入ります。
ネタバレと最終回の結末
ここからは物語の展開と結末に触れます。まだ観ていない人は、読む範囲に気をつけてください。
第1話から第4話までの流れ

第1話、のぶおは赴任早々に校門をぶち壊します。
長井あゆみが毎朝8時25分に閉めていた校門に対して、「8時40分に閉まっていたらぶっ壊す」と宣言し、そのとおり実行しました。
明智と東条は、若林を使ってのぶおを辞めさせる作戦を立てます。
第2話でのぶおはチアダンス部の顧問代理になります。
練習時間の長さを「ブラック部活」と毒づき、川崎結衣の怪我をきっかけに長井から部活休止を命じられる。そこからのぶおが打つ手が、この回の見せ場でした。
第3話は光岡慎之介の回です。
不登校が続いていた光岡が、テスト当日に里見萌に見つかって教室へ連れて行かれ、そこでカンニングを疑われます。
このとき、のぶおは光岡を叱りませんでした。
第4話は職業体験です。
のぶおが引率する班は探偵事務所に振り分けられ、東条と若林が巻き込まれていきます。生徒のために、のぶおが頭を下げる場面がありました。
第5話の「若林。をプロデュース」

第5話は、若林優馬が恋に落ちる回です。
それを知ったのぶおが「若林。をプロデュース」作戦を立ち上げ、クラスメイトを巻き込んでいきます。
このとき教室にできた空気が、それまでと明らかに違いました。
賭けだの反抗だのと言っていた生徒たちが、1人のためにわいわい騒いでいる。その様子を見て、長井あゆみののぶおを見る目も変わり始めます。
対立の物語が、ここでいったん終わるんです。
第8話 文化祭とカミングアウト

第8話は文化祭の回です。
2年3組の出し物は「女装バー」でした。発案は若林、そしてママを務めるのが東条正義。
一之森や吉良、高槻、姫路といった男子生徒たちも、それぞれのスタイルで女装して店に立ちます。教室が本当に一晩だけの店になっていました。
のぶおが一番楽しみにしていたのは、文化祭のメインイベント「青年の主張」です。
言いたいことを思い切り叫ぶという企画で、高槻蓮が堀江ももに告白し、ふられます。
そしてこの舞台で、もう1つの告白が起こる。
サブタイトルの「衝撃のカミングアウト」がそれです。
誰が、何を打ち明けるのか。ここは書きません。この回のためにこのドラマがあったと言ってもいい場面なので、自分の目で見てほしいところです。
第9話 炎上と学校追放の真相

第9話で、物語が一気に暗くなります。
ボクシング会場での、のぶおと明智の映像がネットにアップされます。「教師が生徒に暴力を振るった」という切り取り方をされた動画でした。
これが拡散して炎上します。
浴びせられた言葉は「ゲイの暴力教師を野放しにするな」。
暴力の話だったはずのものが、いつのまにか性的指向への攻撃に変わっている。この描写がとても正確で、観ていてしんどくなりました。
騒動は報道番組で取り上げられるまでに発展し、のぶおは自宅謹慎になります。
責任を取る形で校長の寺尾綴が辞任し、後任を任されたのが古文教師の矢野伸也でした。
その矢野こそが、虚偽の情報を流出させた黒幕だった。
真相が明るみに出て矢野は退職処分となり、長井あゆみの計らいでのぶおは学校へ戻ります。
そしてこの第9話で、生徒たちはもう1つの事実を知ることになります。
のぶおの病気と余命のこと

原田のぶおには、時間が残されていません。
余命がわずかであることが第9話で明らかになり、2年3組と学園のみんながそれを知ります。
炎上と追放の騒ぎの裏で、この人はずっとそれを抱えたまま教壇に立っていた。
第1話からの言動を思い返すと、意味が変わって見える場面がいくつもあります。
「死ぬ前にやりたいことがいっぱいある」という言葉も、この時点で重さが変わりました。
病気の詳細や、のぶおが最終的にどうなるのかについては、ここでは書きません。
隠して引っ張りたいからではありません。
この一点だけは、文字で読んだ場合と映像で観た場合とで、受け取るものが完全に別物になるからです。
古田新太さんの表情と間で成立している場面なので、あらすじにすると本当に何も残らないんです。
最終回のラストと卒業式


最終話、のぶおは自ら学校を辞めます。
残された2年3組の生徒たちは、いつもどおりの毎日を過ごしながら、どこか物足りない。心のなかに「のぶおっぽさ」だけが置き去りになっている。
そこで明智秀一が言います。
「死ぬ前じゃなくてもやりたいこと全部やっていいと思う」
副担任である田中みちるの授業時間を使って、1年早い卒業式を開こう。明智の提案から、最後の1時間が動き出します。
のぶおから生徒へ、そして生徒からのぶおへ、卒業証書が交わされる。
お涙頂戴には振り切りません。最後まで笑いを混ぜてくるところが、このドラマらしいところでした。
そしてラストカット。
タイトルの「俺のスカート、どこ行った?」が、少しだけ形を変えて回収されます。
その一言で終わる。
私はここで、10話ぶんの感情がきれいにひっくり返されました。ずるいと思いながら、笑ってしまったんです。
この最終回だけは、あらすじを読んで済ませないほうがいい回です。
第1話の校門の場面から観てきた人にしか届かない終わり方をしているので、できれば頭から通しで観てください。
\あのラストの一言を、自分の耳で確かめてみてください/
光岡や明智など人物を深掘り
光岡慎之介が不登校だった理由

光岡慎之介(阿久津仁愛)は、2年生が始まった時点ですでに学校へ来ていませんでした。
理由はさぼりでも、いじめでもありません。
父親を早くに亡くし、母の光岡弘子(須藤理彩)が働きに出ているあいだ、幼い弟の君太と妹の心菜の面倒を見ていたからでした。
学校へ行けば、弟と妹が家に取り残される。
だから行かない。16歳が1人で下した判断です。
第3話でカンニングを疑われたとき、光岡が答案を見たのは隣の席の茂木朱里でした。
不登校の生徒を「学校に来させる」ことを目的にしない。
のぶおのその姿勢が最初にはっきり出たのが、この第3話です。
明智秀一が退学届を出した訳

明智秀一(永瀬廉)は2年3組のリーダー格で、序盤はのぶおを辞めさせる側の中心にいます。
その明智が、第7話で長井あゆみに退学届を提出します。
理由は成績でも素行でもありません。父・明智純一(板尾創路)の会社と、家族の事情でした。
明智は、自分が犠牲になれば収まると考えていたんです。
長井は明智の父に会いに行きますが、話を聞くほど手立てが見えなくなっていく。
その長井を見て、のぶおが動き出します。
例によってまともな方法ではありません。東条や若林まで巻き込んだ作戦になります。
反抗の中心にいた生徒を、いちばん手のかかるやり方で取り戻しにいく。
第7話を観たあとは、明智を見る目が変わると思います。
若林優馬がマスクを外すまで


若林優馬(長尾謙杜)は、人と接するのが苦手な生徒です。
第1話では、明智と東条ののぶお追い出し作戦に使われる立場でした。
その若林が、クラスで最初にのぶおを理解する人間になります。
彼を象徴しているのがマスクでした。
顔を隠したまま登校し、話しかけられても目を合わせない。マスクは若林にとって、世界との距離を保つための壁だったんです。
第3話では、光岡の家庭の事情をのぶおに伝えるのが若林でした。
人と関わるのが苦手なはずの子が、他人のために口を開いている。
マスクが外れる瞬間がどこなのか。それを見届けるための10話だったと言ってもいいくらい、この子の変化は丁寧に描かれていました。
東条正義と川崎結衣の幼馴染


東条正義(道枝駿佑)は、序盤でいちばん露骨にのぶおへ反抗する生徒です。
拒否の仕方が子どもっぽくて、そこが可愛い。
その東条が、のぶおの本気を見るたびに態度を軟化させていきます。第4話の職業体験あたりから、明らかに態度が変わりました。
東条には幼馴染がいます。チア部、正確にはチアダンス部に所属する川崎結衣(髙橋ひかる)です。
川崎は大会直前に足を捻挫し、そのときに世話になったのぶおと親しくなりました。第2話でのぶおがチアダンス部の顧問代理になったのは、この流れからです。
部活といえば、この学校にはカバディ部もあります。
顧問は英語教師の広田誠(じろう)。高槻蓮と姫路隼太が部員で、2人とも第8話の女装バーに立っています。
チアダンス部とカバディ部。わざわざこの2つを出してくるあたりに、制作側の遊び心を感じました。
今泉・安岡・矢野の立ち位置
残りの重要人物を整理しておきます。
今泉茜(竹内愛紗)は、不登校だった光岡と以前から仲が良かった生徒です。クラスの女子ではリーダー格にあたり、光岡が教室へ戻ってこられた背景に彼女の存在がありました。
安岡一道(伊藤あさひ)は、25歳の官僚です。東大出身のエリートで、のぶおの娘・糸の元彼にあたります。
1年ほど付き合って別れたのに、いまだに原田家に入り浸っている。理由は、のぶおを心の師と仰いでいるからでした。
血のつながりも恋人関係もないのに家族みたいに居座っている。この関係が、この作品の「家族」の描き方をよく表しています。
矢野伸也(小市慢太郎)は、55歳の古文教師です。
第9話で校長の後任を任され、そして虚偽情報を流出させた黒幕だったことが発覚して退職処分になります。
ただ、この人を単純な悪役として片づけないのがこの作品でした。最終話では、また学校に戻ってきている様子が描かれます。
もう1人、副担任の田中みちる(桐山漣)にも触れておきます。
のぶおに振り回されるばかりの、かませ犬のような立ち位置から始まりました。それが最終話では、1年早い卒業式の場を差し出す側になっている。
生徒だけでなく、大人も少しずつ変わっていく。
その積み重ねが見えてくると、このドラマの後半は一気に面白くなります。
では実際に観た人たちが、この作品をどう受け止めたのか。賛否の両方を見ていきます。
感想と口コミ、心に残る名言
面白いと言われる3つの理由
観終わって考えたのですが、この作品が面白いと言われる理由は3つに整理できます。
- 1話ごとにきちんと着地する
- 生徒1人の問題を1話で扱い、その回のうちに何かしらの答えを出す。連続ドラマなのに一話完結の気持ちよさがあるので、途中の回から観ても置いていかれません。
- のぶおが説教をしない
- 学園ドラマの先生は、たいてい最後に生徒へ向けて長い台詞を言います。この作品にはそれがほとんどありません。のぶおがやるのは、行動だけ。校門を壊す、頭を下げる、勝手に動く。理屈は後から生徒が自分で見つけます。
- 学園ドラマの型をきっちり守っている
- 不良、不登校、家庭の事情、文化祭、卒業式。並べてみると驚くほど定番の要素しかありません。その定番の枠のなかに、女装した52歳のゲイの教師を1人置いただけ。たったそれだけで、見慣れたはずの学園ドラマが全部違って見えます。
この仕掛けが、いちばんうまいと思いました。
型破りな教師が主人公という点では、ごくせんやGTOと同じ棚に並ぶ作品です。




賛否が分かれたLGBTQの描写

一方で、この作品には批判もありました。そこも正直にお伝えします。
最も多かったのが、ゲイの当事者からの「リアリティがない」という指摘です。
LGBTQのメディア表現を追っているレビューでは、古田新太さんの演技について「全くゲイっぽくなくて、女装と合っていなくて、妙にちぐはぐ」という違和感が語られていました。
同時にその書き手は、のぶおにとって女装が「戦闘服」として設定されている点には納得していて、第9話のゲイ差別の描写は現代のリアルだと評価しています。
演技の落ち着かなさは、力不足ではなく意図的な選択なのではないか。そういう読み方でした。
もう1つの批判は、ゲイと女装をコメディの材料として消費しているだけではないか、という指摘です。
これについては、作中でのぶお自身が「LGBTにもいろんな人がいるのに」と言う場面があります。
制作側も、のぶお1人でLGBTQ全体を代表させるつもりはなかったのだと思います。
賛否のどちらが正しいかを、私は決められません。
ただ、2019年の地上波ゴールデンでこのテーマを10話やり切ったこと自体に意味があったとは思っています。
心に残る名言セリフ集

このドラマは、名言が短いのが特徴です。
長い演説がないぶん、ぽろっとこぼした一言が刺さる。
私がいちばん覚えているのは、この言葉でした。
原田のぶおの言葉
- 嫌な事は人生の差し色
- あんたは、あんたができることをやればいいのよ。あんたらしく
- どうしたら言いやすくなるのか、教えてみ?
- 好きなように、やってみれば?
嫌なことをなくそうとしない。あってもいい、むしろあったほうが服として面白い、という言い方をする。
生徒に向けたはずのこの一言に、私が救われました。
並べてみて気づいたのですが、のぶおは一度も相手に答えを渡していません。
言いにくそうにしている生徒に「言いなさい」ではなく「どうしたら言いやすくなるのか」を聞く。
やり方を教えるのではなく「好きなように」と投げる。
52歳の大人が、16歳を子ども扱いしない。
この作品が今も好きだと言われている理由は、たぶんここにあります。
レビューと評価のまとめ


視聴者のレビューを見ていくと、評価はきれいに分かれていました。
高評価の側は「回を追うごとに好きになった」という声が多い。
初回は古田新太さんの女装のインパクトで観始めて、第3話あたりで真面目なドラマだと気づき、そのまま最後まで走り切ったという流れです。私もまったく同じでした。
批判の側で目立ったのは、終盤の展開についてです。
余命という重い設定を後半に持ってきたことで「詰め込みすぎではないか」という指摘がありました。
これは分かります。9話と10話で扱う要素が多すぎて、1つひとつを味わう時間が足りていない感覚は確かにありました。
もう1つ、印象に残った感想があります。
性的マジョリティにも問題のある教師はいる。結局は人柄次第だ、という受け止め方をしていた人がいました。
この作品が本当に言いたかったのは、たぶんそれです。
女装した先生の話でも、ゲイの先生の話でもない。
「そのままでいる人」を、周りがどう扱うかという話でした。
放送当時の数字は、決して大きいものではありません。
それでも7年たった今、配信で新しく出会える環境が整いました。
もし今、自分を変えないといけないと言われ続けてしんどいなら、この先生に会いに行ってみてください。
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ロケ地は千葉県市川市の高校
豪林館学園高校の撮影場所

物語の舞台になる豪林館学園高校のロケ地は、千葉県市川市にあります。
旧・和洋国府台女子中学校の校舎です。
この校舎は、和洋国府台女子中学校高等学校が中高一貫の校舎として使っていた建物でした。2017年以降は学校として使われておらず、その後は撮影に活用されています。
だからあの学校は、あんなに自由に壊せたんです。
第1話でのぶおが校門をぶち壊す場面がありますが、あれを現役の高校の敷地でやるのは難しい。
使われなくなった校舎だからこそ撮れた画だったのだと、ロケ地を知ってから納得しました。
昭和の面影が残る廊下と、広い中庭。
あの少し古びた質感と、ダイバーシティという新しい看板が噛み合っていない。その噛み合わなさが、そのまま作品の空気になっていました。
学校以外の撮影地

学校以外の撮影場所は、東京都内から神奈川、埼玉まで広く散らばっています。
ファンによって特定されているところでは、居酒屋の場面が東京都千代田区神田神保町の「酔の助」、ショーパブの外観が港区赤坂の「メトロビル」、内観が六本木の「六本木金魚」とされています。
食事の場面では、墨田区のフレッシュネスバーガー錦糸町店や、府中市の「きくよし食堂」も使われました。
そのほか、埼玉高速鉄道の浦和美園駅、横浜の八景島シーパラダイス、結婚式の場面で新横浜のアクアテラス迎賓館などが挙がっています。
これらは公式に発表されたものではなく、視聴者が画面から特定した情報です。学校の校舎も含めていずれも一般の施設や私有地なので、外から眺めるだけにとどめて、近隣の迷惑にならない形で楽しんでください。
聖地巡礼の話をしたところで、まだ拾いきれていない疑問をまとめて片づけていきます。
よくある質問
まとめ
「俺のスカート、どこ行った?」は、女装した52歳の教師が高校で騒動を起こすドラマではありませんでした。
誰のことも直そうとしなかった大人の、10話ぶんの記録です。
不登校の光岡にも、退学届を出した明智にも、マスクを外せない若林にも、のぶおは一度も「変われ」と言いません。
言うのは、いつも「あんたらしく」でした。
観ていたときは気づかなかったのですが、7年たって観直して分かったことがあります。
私はこの先生に、生徒として見てもらいたかったのだと思います。
同じ日本テレビの学園ドラマなら、教師と生徒の関係を真逆の角度から描いたこの作品も並べて観てほしいです。
配信はAmazonプライムビデオで全10話が見放題です。初回なら30日間の無料体験がついてきます。
Huluでも全話が揃っていますし、手元に置きたいならBlu-ray BOXとDVD-BOXが出ています。
\今夜、原田のぶお先生に会いに行ってみてください/
タイトルの「俺のスカート、どこ行った?」を、私はずっとギャグだと思っていました。
最終回のいちばん最後で、その意味が変わります。
あの一言を聞いたとき、笑いながら泣いている自分に気づきました。
7時間半あれば、あなたも同じところにたどり着けます。








